概要

page-break-beforeプロパティは、CSSで印刷時の改ページを制御するためのプロパティです。このプロパティを使用することで、特定の要素の前でページを分割し、新しいページから表示させることができます。印刷レイアウトを調整する際に重要な役割を果たし、報告書やパンフレットなど、印刷物での見た目を整えるために非常に有効です。

page-break-beforeの基本

page-break-beforeプロパティは、印刷メディアで要素の前に改ページを入れるかどうかを指定します。これにより、印刷時に重要な内容や章の開始を新しいページから始めるなど、視覚的な整理がしやすくなります。

page-break-beforeの構文

element {
page-break-before: <value>;
}

<value>には以下の値を指定できます。

主な値

• auto（デフォルト）: 通常の改ページの動作に従います。
• always 要素の前で必ず改ページします。
• avoid 要素の前で改ページを避けます。
• left 要素を次の奇数ページ（左ページ）から始めます。
• right 要素を次の偶数ページ（右ページ）から始めます.

page-break-beforeの使用例

page-break-before: always; を使用して必ず改ページする

alwaysを使用すると、指定した要素の前で必ず改ページが行われます。新しい章やセクションの開始時に役立ちます。

使用例

h2 {
page-break-before: always;
}

<h1>レポートのタイトル</h1>
<p>ここにイントロダクションのテキストが入ります。</p>
<h2>第1章</h2>
<p>この章は新しいページから始まります。</p>

この設定では、<h2>タグが新しいページから表示され、章の始まりが明確になります。

page-break-before: avoid; で改ページを避ける

avoidを使用すると、特定の要素の前で改ページを避けるようにします。見出しとその直後の段落を分けたくない場合などに有効です。

使用例

h3 {
page-break-before: avoid;
}

<h3>小見出し</h3>
<p>小見出しの後のテキストが改ページされずに表示されます。</p>

この設定により、<h3>がページの末尾に配置されるのを防ぎ、視覚的な流れを保つことができます。

page-break-before: left; と right; で奇数ページまたは偶数ページから開始する

leftとrightを使用すると、要素が奇数ページまたは偶数ページから始まるように改ページが調整されます。冊子や本のような印刷物で左右のページを揃えたい場合に便利です。

使用例

section {
page-break-before: right;
}

<h2>新しいセクション</h2>
<section>
<p>このセクションは常に偶数ページから始まります。</p>
</section>

この設定では、セクションが必ず偶数ページから始まり、印刷時に左右のページの一貫性が保たれます。

page-break-beforeの利点と活用方法

印刷レイアウトの視覚的な整理

page-break-beforeを使うことで、印刷時に要素を新しいページから始めることができ、視覚的な整理がしやすくなります。章やセクションごとにページを分けることで、レポートや資料の読みやすさが向上します。

重要な内容の強調

重要な見出しやコンテンツを新しいページから開始することで、内容の重要性を強調できます。特に、章の始まりやまとめのセクションを強調したい場合に効果的です。

左右のページの調整

leftやrightを使用すると、印刷物のレイアウトを左右のページに合わせて調整できます。これにより、ページの見た目が整い、デザイン性の高い印刷物を作成できます。

使用上の注意点

ブラウザやPDFエクスポートの対応状況

page-break-beforeは印刷時に適用されるプロパティで、ブラウザによって対応が異なる場合があります。また、PDFエクスポート時に期待通りの動作をしないこともあるため、印刷プレビューでの確認が重要です。

過剰な改ページの避け方

alwaysを多用すると、ページ数が増えて印刷コストが高くなることがあります。適切な箇所で改ページを行い、全体のバランスを考えながら設定することが大切です。

まとめ

page-break-beforeプロパティは、印刷時に改ページを制御する強力なツールです。このプロパティを活用することで、章やセクションを新しいページから開始したり、ページのレイアウトを調整したりと、印刷物の見た目を大幅に改善できます。報告書やプレゼン資料などの印刷物を制作する際に、ぜひこのプロパティを活用して、視覚的に整理された美しい印刷レイアウトを実現してください。