【HALCON】add_sample_class_gmm 関数について - GMMにサンプルを追加
2024-08-23
2024-08-23
HALCON
のadd_sample_class_gmm
関数は、Gaussian Mixture Model (GMM)
に新しいトレーニングサンプルを追加するために使用されます。この関数を使って、各サンプルの特徴ベクトルとクラスIDを指定し、モデルのトレーニングに用いるデータセットを増やします。特に、データ分類タスクでGMMの精度を向上させたい場合に有効です。さらに、ノイズの影響を抑えるためにランダム化パラメータを設定することも可能です。
使用例
以下は、add_sample_class_gmm
関数を使ってGMMにサンプルを追加する具体的な手順です。
* GMMを作成する
create_class_gmm(3, 2, &GMMHandle)
* 特徴ベクトルとクラスIDを指定してサンプルを追加
add_sample_class_gmm(GMMHandle, [0.5, 1.2], 1, 0.0)
* 別のサンプルを追加
add_sample_class_gmm(GMMHandle, [1.8, 2.4], 0, 0.5)
* GMMをトレーニング
train_class_gmm(GMMHandle)
この例では、create_class_gmm
関数でGMM
を作成し、add_sample_class_gmm
関数を使ってサンプルを追加しています。最初のサンプルにはランダム化なし、2つ目のサンプルにはノイズが振幅0.5
で追加されています。その後、train_class_gmm
関数でモデルをトレーニングします。
引数
-
GMMHandle
Gaussian Mixture Model
(GMM
) のハンドル。create_class_gmm
関数で生成されたハンドルを指定します。 -
Features
トレーニングサンプルの特徴ベクトルです。各サンプルの特徴を数値の配列で表現します。 -
ClassID
サンプルのクラスIDです。サンプルが所属するクラスを整数値で指定します。 -
Randomize
サンプルにランダムノイズを追加するための標準偏差。この値が大きいほど、サンプルに追加されるノイズが大きくなります。
戻り値
add_sample_class_gmm
関数は、指定されたサンプルが追加されたGMM
を返します。このデータは、後続のモデルトレーニングで使用されます。
応用例
画像分類でのサンプル追加
この関数は、画像から抽出した特徴ベクトルをGMMに追加して、モデルの精度を高めるために利用されます。多くのサンプルを追加することで、GMMがより多様なデータに対応できるようになります。
* 特徴ベクトルを使用して画像分類のサンプルを追加
add_sample_class_gmm(GMMHandle, [128, 64, 255], 1, 0.0)
add_sample_class_gmm(GMMHandle, [50, 75, 100], 2, 0.2)
この例では、RGB値を特徴ベクトルとして使用し、サンプルを追加しています。ランダム化の振幅を設定することで、特徴ベクトルに微妙な変化を与えることもできます。
並列処理での大量サンプル追加
HALCON
のadd_sample_class_gmm
関数は、並列処理にも対応しています。これにより、大規模なデータセットに対して迅速にサンプルを追加することが可能です。
* 並列処理でサンプルを追加
parallel(
add_sample_class_gmm(GMMHandle, [0.1, 1.2], 0, 0.0),
add_sample_class_gmm(GMMHandle, [2.5, 3.1], 1, 0.3)
)
このコードでは、複数のサンプルを並列に追加して、処理効率を高めています。並列処理により、モデルに対して多くのサンプルを短時間で追加できます。
注意点
Randomize
パラメータは、サンプルにノイズを加えるため、データのバラエティを増やすのに有効です。ただし、ノイズが大きすぎるとデータが元の特徴から乖離することがあるため、適切な設定が必要です。Features
の長さは、GMMの次元数と一致する必要があります。次元が異なる場合、エラーが発生するため注意が必要です。
まとめ
HALCON
のadd_sample_class_gmm
関数は、Gaussian Mixture Model
に新しいサンプルを追加し、モデルのトレーニングデータセットを拡張するために役立ちます。ランダムノイズを活用することで、サンプルの多様性を高め、モデルの適応力を向上させることができます。また、並列処理に対応しているため、大規模なデータセットにも効率的に対応できます。