【HALCON】adjust_mosaic_images 関数について - モザイク画像の自動調整

HALCONのadjust_mosaic_images関数は、複数の画像を組み合わせて作成するモザイク画像やパノラマ画像のカラー補正を自動で行うための機能です。画像の重なる部分に対して輝度やホワイトバランスの調整を行い、統一感のある自然な画像を作成します。この関数を使うことで、異なる条件で撮影された画像の間で発生する色の違いを補正し、シームレスなパノラマ画像を生成できます。

使用例

以下は、adjust_mosaic_images関数を使用してパノラマ画像を補正する具体例です。

* パノラマ画像を補正
adjust_mosaic_images(Images, CorrectedImages, From, To, 1, HomMatrices2D, 'standard', ['add_gray', 'response'], '')

この例では、Imagesに補正する画像群を入力し、CorrectedImagesとして補正された画像が出力されます。FromとToは補正する画像ペアのインデックスで、HomMatrices2Dはホモグラフィ行列を指定しています。補正の方法は'standard'が選択されています。

引数

• Images
  補正対象となる画像群。複数の画像から構成される配列です。

• CorrectedImages
  補正された結果を保存する画像群。補正後のモザイク画像が出力されます。

• From
  補正対象となる画像ペアのインデックス配列。どの画像を基準に補正を行うかを指定します。

• To
  補正対象の画像ペアの終点を示すインデックス配列です。

• ReferenceImage
  補正の基準となる画像のインデックス。この画像に合わせて他の画像が補正されます。

• HomMatrices2D
  画像間のホモグラフィ行列を指定し、画像の重なり部分を正確に調整します。

• EstimationMethod
  使用する補正アルゴリズムを指定します。'standard'や'gold_standard'が利用可能で、'gold_standard'はより正確な補正を行います。

• EstimateParameters
  補正モデルに使用されるパラメータ。例として'add_gray'、'response'、'mult_gray'などがあります。

• OECFModel
  非線形なカメラ応答を考慮する場合に使用するOECF（Opto-Electronic Conversion Function）モデルを指定します。

戻り値

adjust_mosaic_images関数は、補正されたモザイク画像を返します。これにより、画像間の明るさやホワイトバランスが統一され、自然なモザイク画像が生成されます。

応用例

カラー補正を適用したモザイク画像の作成

この関数を使用することで、異なる露出や光条件で撮影された複数の画像を補正し、シームレスなモザイク画像を作成できます。以下の例は、カラー補正を適用した具体的な使用例です。

* カラー補正を適用したモザイク画像の作成
adjust_mosaic_images(Images, CorrectedImages, From, To, ReferenceImage, HomMatrices2D, 'gold_standard', ['mult_gray'], 'laguerre')

この例では、補正の精度を高めるために'gold_standard'アルゴリズムが使用されており、OECFモデルとして'laguerre'が指定されています。

注意点

• ReferenceImageの選定には注意が必要です。基準画像が適切でない場合、他の画像の補正が不自然になる可能性があります。
• ホモグラフィ行列HomMatrices2Dの精度は、補正結果に直接影響します。正確な行列を使用しないと、画像の重なり部分がうまく補正されない場合があります。

まとめ

HALCONのadjust_mosaic_images関数は、異なる画像間のカラー補正を自動で行い、視覚的に一貫性のあるモザイク画像やパノラマ画像を作成するために有効です。この関数を使用することで、画像処理や解析の精度を高め、シームレスな結果を簡単に得ることができます。