【HALCON】HALCONを使用したAnomaly検出:画像入力からスコア出力まで
2024-09-12
2024-09-12
HALCON
を使用してAnomaly
検出を行い、入力画像からスコアを出力するまでの過程を詳しく解説します。製造業での品質管理や異常検知など、さまざまな分野で活用できる技術です。それでは、ステップバイステップで見ていきましょう。
環境準備
まず、HALCON
がインストールされていることを確認しましょう。バージョンは最新のものを使用することをお勧めします。また、Anomaly
検出用の学習済みモデルが必要です。これは事前に準備しておく必要があります。
プログラムの基本構造
HALCON
のプログラムは通常、以下のような構造になります:
* 初期化
dev_open_window(...) * ウィンドウを開く
* メイン処理
* ...
* クリーンアップ
dev_close_window(...)
この構造を念頭に置いて、Anomaly
検出の実装を進めていきます。
モデルの読み込み
最初のステップは、学習済みのAnomaly
検出モデルを読み込むことです。
read_anomaly_model('path/to/your/model.anom', AnomalyModel)
ここで注意が必要なのは、パスの指定です。相対パスか絶対パスかを確認し、モデルファイルが正しく配置されていることを確認してください。
画像の読み込みと前処理
次に、分析対象の画像を読み込みます。
read_image(Image, 'path/to/your/input/image.png')
画像の前処理が必要な場合は、ここで行います。例えば、グレースケール変換が必要な場合:
rgb1_to_gray(Image, GrayImage)
前処理の内容は使用するモデルの要件に依存します。モデルのドキュメントを確認し、適切な前処理を行ってください。
Anomaly検出の実行
ここからが本題です。apply_anomaly_model
関数を使用して、Anomaly検出を実行します。
apply_anomaly_model(GrayImage, AnomalyModel, 'none', [], [], AnomalyImage, AnomalyScore)
この関数の引数を詳しく見てみましょう:
GrayImage
入力画像AnomalyModel
読み込んだAnomaly検出モデル'none'
閾値処理を行わないモード[]
追加パラメータ(ここでは使用しない)[]
パラメータ値(ここでは使用しない)AnomalyImage
出力されるAnomaly画像AnomalyScore
出力されるAnomaly スコア
結果の取得
検出が完了したら、結果を取得します。
get_anomaly_model_result(AnomalyModel, 'anomaly_score', Score)
この関数で、Anomaly score
を取得できます。スコアの解釈は使用するモデルによって異なるため、モデルのドキュメントを参照してください。
結果の表示と解釈
最後に、結果を表示します。
dev_display(Image)
dev_display(AnomalyImage)
tuple_string(Score, '.3f', ScoreString)
disp_message(WindowHandle, 'Anomaly Score: ' + ScoreString, 'window', 12, 12, 'black', 'true')
ここでは、元の画像とAnomaly
画像を表示し、スコアを数値で出力しています。
スコアの解釈は重要です。一般的に:
- 高いスコア → 異常である可能性が高い
- 低いスコア → 正常である可能性が高い
しかし、「高い」「低い」の基準は、使用するモデルやアプリケーションによって異なります。
クリーンアップ
処理が完了したら、リソースを解放します。
clear_anomaly_model(AnomalyModel)
一連の流れ
* HALCONを使用したAnomaly検出プログラム
* 初期化
dev_open_window(0, 0, 512, 512, 'black', WindowHandle)
* モデルの読み込み
read_anomaly_model('path/to/your/model.anom', AnomalyModel)
* 画像の読み込みと前処理
read_image(Image, 'path/to/your/input/image.png')
rgb1_to_gray(Image, GrayImage)
* Anomaly検出の実行
apply_anomaly_model(GrayImage, AnomalyModel, 'none', [], [], AnomalyImage, AnomalyScore)
* 結果の取得
get_anomaly_model_result(AnomalyModel, 'anomaly_score', Score)
* 結果の表示
dev_display(Image)
dev_display(AnomalyImage)
tuple_string(Score, '.3f', ScoreString)
disp_message(WindowHandle, 'Anomaly Score: ' + ScoreString, 'window', 12, 12, 'black', 'true')
* ユーザー入力待ち
disp_continue_message(WindowHandle, 'black', 'true')
stop()
* クリーンアップ
clear_anomaly_model(AnomalyModel)
dev_close_window(WindowHandle)
まとめ
以上が、HALCON
を使用したAnomaly
検出の基本的な流れです。実際の応用では、以下のような拡張が考えられます。
- バッチ処理
複数の画像を連続して処理 - 結果の保存
スコアや異常画像をファイルに出力 - 可視化の改善
ヒートマップの生成やROIの表示 - パフォーマンス最適化
並列処理の導入
Anomaly
検出は強力なツールですが、正しく使用するには経験と調整が必要です。モデルの選択、前処理の方法、スコアの解釈など、アプリケーションに応じて最適化を行っていくことが重要です。