【HALCON】approx_chain 関数について - 輪郭の円弧および直線での近似
2024-08-23
2024-08-23
HALCON
のapprox_chain
関数は、画像の輪郭を円弧と直線で近似するための関数です。関数は、曲線をセグメントごとに分割し、それぞれを円弧または直線で近似します。この手法により、複雑な輪郭を簡素化し、解析や描画を効率的に行うことができます。
使用例
以下は、approx_chain
関数を使用して、画像内の輪郭を近似する例です。
* 画像の輪郭を円弧と直線で近似
approx_chain(Row, Column, MinWidthCoord, MaxWidthCoord, ThreshStart, ThreshEnd, ThreshStep, MinWidthSmooth, MaxWidthSmooth, MinWidthCurve, MaxWidthCurve, Weight1, Weight2, Weight3, &ArcCenterRow, &ArcCenterCol, &ArcAngle, &ArcBeginRow, &ArcBeginCol, &LineBeginRow, &LineBeginCol, &LineEndRow, &LineEndCol, &Order)
この例では、座標列の行Row
および列Column
の値を用いて、輪郭を円弧と直線で近似します。結果として、各セグメントの円弧と直線の開始・終了点が返されます。
引数
-
Row
輪郭の行の座標の配列です。
近似の対象となる輪郭のy
座標を指定します。 -
Column
輪郭の列の座標の配列です。
近似の対象となる輪郭のx
座標を指定します。 -
MinWidthCoord
座標平滑化のための最小ガウス幅です。
近似の精度や平滑化の度合いを制御します。 -
MaxWidthCoord
座標平滑化のための最大ガウス幅です。 -
ThreshStart
角度の最小しきい値です。
円弧と直線の切り替えに使用される曲率の下限です。 -
ThreshEnd
角度の最大しきい値です。 -
ThreshStep
しきい値を増加させるステップ幅です。 -
MinWidthSmooth
曲率関数の平滑化のための最小ガウス幅です。 -
MaxWidthSmooth
曲率関数の平滑化のための最大ガウス幅です。 -
MinWidthCurve
曲率計算に使用される最小曲線幅です。 -
MaxWidthCurve
曲率計算に使用される最大曲線幅です。 -
Weight1
近似の精度を重視するための重みです。 -
Weight2
大きなセグメントを優先するための重みです。 -
Weight3
小さなセグメントを優先するための重みです。
戻り値
-
ArcCenterRow
円弧の中心点のy
座標です。 -
ArcCenterCol
円弧の中心点のx
座標です。 -
ArcAngle
円弧の角度です。 -
ArcBeginRow
円弧の開始点のy
座標です。 -
ArcBeginCol
円弧の開始点のx
座標です。 -
LineBeginRow
直線の開始点のy
座標です。 -
LineBeginCol
直線の開始点のx
座標です。 -
LineEndRow
直線の終了点のy
座標です。 -
LineEndCol
直線の終了点のx
座標です。 -
Order
セグメントの順序(0は直線、1は円弧)を示します。
応用例
円弧と直線の描画
近似された円弧と直線を使用して、画像上に輪郭を描画する例です。
* 輪郭の描画
foreach segment in Order
if segment == 0 * 直線の場合
disp_line(WindowHandle, LineBeginRow, LineBeginCol, LineEndRow, LineEndCol)
else * 円弧の場合
disp_arc(WindowHandle, ArcCenterRow, ArcCenterCol, ArcAngle, ArcBeginRow, ArcBeginCol)
endif
endfor
この例では、近似された輪郭セグメントを描画し、直線および円弧を別々に処理しています。
注意点
- しきい値や幅の設定によって、計算の精度や近似結果が大きく変わるため、目的に応じて適切な値を設定することが重要です。
- 計算時間を短縮するために、必要に応じてしきい値の範囲を狭めることができます。
まとめ
HALCON
のapprox_chain
関数は、画像内の複雑な輪郭を円弧と直線で近似するための強力なツールです。近似によって、輪郭の簡素化や処理の効率化が図れ、描画や解析の精度を向上させることができます。