【HALCON】auto_threshold 関数について - 自動しきい値による画像の二値化
2024-08-24
2024-08-24
HALCON
のauto_threshold
関数は、画像のグレースケール値に基づいて適切なしきい値を自動的に設定し、画像を二値化するために使用されます。この関数は、画像中の対象物と背景を分離するために重要なステップとなり、二値化された画像は後続の画像解析や物体検出に使用されます。しきい値の選定は結果に大きく影響を与えるため、auto_threshold
関数はそのプロセスを自動化し、効率化を図ります。
auto_threshold 関数とは
auto_threshold
関数は、画像内のピクセルのグレースケール値に基づいて、最適なしきい値を自動で決定し、そのしきい値を基に画像を二値化します。二値化とは、画像を2つの異なる値(通常は黒と白)に分ける処理です。これにより、画像中の対象物が背景から明確に分離されます。適切なしきい値の設定は、物体検出や形状解析などの重要な前処理ステップとなります。
基本的な使用例
以下は、auto_threshold
関数を使用して画像を二値化する基本的な例です。
* 画像を読み込み
read_image (Image, 'example_image.png');
* 自動しきい値で二値化
auto_threshold (Image, Region);
このコードでは、まず画像を読み込み、次にauto_threshold
関数を使用してその画像を二値化しています。Region
には、二値化された結果としての領域(対象物)が含まれます。このプロセスでは、auto_threshold
関数が画像のヒストグラムを基に、適切なしきい値を決定します。
引数の詳細
-
Image
二値化する対象のグレースケール画像を指定します。 -
Region
自動しきい値に基づいて二値化された領域が返されます。この領域には、対象物のピクセル情報が含まれます。
二値化とその用途
二値化は、画像を2つの異なる値(通常は黒と白)に変換する処理です。この処理は、画像内の対象物を背景から分離するために使用されます。二値化は多くの画像処理タスクの初期段階で使用され、以下のような用途で特に有効です。
-
物体検出
対象物と背景を明確に分離することで、物体の輪郭や領域を検出するために使用されます。 -
画像解析
二値化された画像を用いて、対象物の形状、サイズ、位置などを解析します。 -
品質検査
製造ラインでの品質検査において、欠陥検出や不良品の判別に二値化が役立ちます。
auto_threshold関数の応用
auto_threshold
関数は、特に以下のような状況で役立ちます。
-
対象物と背景が明確に分離されている場合
対象物が背景から明確に区別できる場合、auto_threshold
関数を使用して自動的に適切なしきい値を設定し、正確に対象物を抽出します。 -
背景が複雑な画像
背景が複雑でも、auto_threshold
関数は画像のヒストグラムを解析し、最適なしきい値を選定することで、効果的に二値化を行います。
応用例: 製品検査における二値化処理
以下は、製造ラインでの製品検査において、auto_threshold
関数を使用して物体検出を行う例です。
* 画像を読み込み
read_image (Image, 'product_image.png');
* 自動しきい値で画像を二値化
auto_threshold (Image, Region);
* 二値化された領域の面積を計算
area_center (Region, Area, Row, Column);
* 面積が基準値内かどうかを確認
if (Area > MinArea and Area < MaxArea)
* 検査合格の処理
pass_inspection ();
else
* 検査不合格の処理
fail_inspection ();
endif
この例では、auto_threshold
関数を用いて画像を二値化し、得られた領域の面積を計算して製品検査を行っています。製品のサイズが基準内かどうかを確認し、合格か不合格かを判定します。
自動しきい値設定の利点
-
自動化による効率化
auto_threshold
関数は、しきい値を自動的に決定するため、手動での調整が不要となり、作業効率が向上します。 -
高精度な二値化
ヒストグラム分析に基づいて最適なしきい値を選定するため、画像内の対象物と背景が正確に分離されます。 -
幅広い適用性
単純な背景から複雑な背景まで、多様な条件下で適用でき、安定した二値化結果が得られます。
まとめ
HALCON
のauto_threshold
関数は、グレースケール画像に基づいて自動的に最適なしきい値を設定し、対象物と背景を分離する二値化処理を行うための強力なツールです。この関数を活用することで、画像処理の初期段階で正確な物体検出が可能となり、後続の解析作業が効率的に進められます。製品検査や品質管理の分野でも広く応用されているこの機能を、ぜひ活用してみてください。