【HALCON】best_match_mg 関数について - 複数の解像度による最適位置のパターンマッチング
2024-08-24
2024-08-24
HALCON
のbest_match_mg
関数は、複数の解像度(マルチスケール)を利用して、画像内で指定されたテンプレートに最も一致する位置をパターンマッチングによって検索するための関数です。best_match_mg
は、サイズや解像度が異なる物体の検出に効果的で、製品検査やロボットビジョンなど、さまざまなサイズやスケールで表示される対象物を検出する際に使用されます。
best_match_mg 関数とは
best_match_mg
関数は、複数の解像度でテンプレートマッチングを行い、最適な一致位置を画像内から検索するために設計されています。テンプレート画像と入力画像のスケールが異なる場合でも、マルチスケールでの解析により、正確な位置を特定することが可能です。これにより、対象物のスケールが変化しても高精度の検出が行えます。
基本的な使用例
以下は、best_match_mg
関数を使用して、画像内でテンプレートの最適な位置を複数の解像度で検索する例です。
* 画像を読み込み
read_image (Image, 'example_image.png');
read_image (Template, 'template_image.png');
* テンプレートの最適一致を複数の解像度で検索
best_match_mg (Image, Template, MatchRow, MatchColumn, MatchAngle, MatchScale);
このコードでは、まず画像とテンプレートをread_image
関数で読み込み、best_match_mg
関数を使用して画像内の最適な一致位置を複数の解像度で検索します。結果としてMatchRow
(行座標)、MatchColumn
(列座標)、MatchAngle
(回転角度)、MatchScale
(スケール倍率)が返されます。
引数の詳細
-
Image
テンプレートマッチングを行う対象の入力画像です。 -
Template
一致させるテンプレート画像です。このテンプレートが入力画像内で検索されます。 -
MatchRow
テンプレートが最も一致した位置の行座標です。 -
MatchColumn
テンプレートが最も一致した位置の列座標です。 -
MatchAngle
テンプレートが最も一致した位置の回転角度です。 -
MatchScale
テンプレートが最も一致した位置でのスケール倍率です。
マルチスケールパターンマッチングの用途
マルチスケールパターンマッチングは、異なる解像度やサイズで画像が表示されるシーンで活用されます。以下のようなシーンで特に有効です。
-
製品検査
製造ラインでは、製品のサイズが若干異なることがあります。マルチスケールでのパターンマッチングは、異なるサイズでも正確に検出できるため、欠陥やズレの発見が容易になります。 -
ロボットビジョン
ロボットが異なるサイズの物体を操作する際にも、サイズにかかわらず物体の位置を正確に特定し、操作が可能です。 -
物体認識
解像度の異なるシステムで同じ物体を認識する必要がある場合でも、マルチスケール解析により一貫した物体認識が可能です。
応用例: 製品検査におけるマルチスケールパターンマッチング
以下は、製造ラインで異なるサイズの製品を検査するために、best_match_mg
関数を使用する例です。
* 製品画像とテンプレート画像を読み込み
read_image (Image, 'product_image.png');
read_image (Template, 'template_product.png');
* マルチスケールでのテンプレートマッチングを実施
best_match_mg (Image, Template, MatchRow, MatchColumn, MatchAngle, MatchScale);
* 検出された位置に基づいて製品検査を実施
if (MatchRow >= 0 and MatchColumn >= 0)
* スケールに応じた検査処理を実施
pass_inspection ();
else
* 検査不合格の処理
fail_inspection ();
endif
この例では、best_match_mg
関数を使用して、異なるサイズの製品に対するテンプレートマッチングを行い、検出された一致位置とスケール情報を基に検査を実施しています。
マルチスケールパターンマッチングの利点
-
スケールの変動に柔軟に対応
複数のサイズで表示される対象物に対しても、正確に位置と回転角度を検出できます。 -
高精度な検出
サイズや解像度が異なる対象物でも、精度高くパターンを検出できるため、製品検査やロボットビジョンに適しています。 -
効率的な解析
マルチスケールでの解析により、解像度に依存しない柔軟な処理が可能となり、複数の状況で一貫した検出結果が得られます。
まとめ
HALCON
のbest_match_mg
関数は、マルチスケールによるパターンマッチングを行うための強力なツールです。この関数を使用することで、スケールや解像度が異なるシーンでも、対象物を正確に検出し、位置や向きを特定できます。製品検査やロボットビジョンなど、サイズが変動する物体の検出を必要とするシステムで、この関数を活用して精度の高い解析を実現してください。