【HALCON】binocular_distance 関数について - ステレオ画像からの距離計測

HALCONのbinocular_distance関数は、ステレオカメラシステムで取得した2枚の画像を使用して、物体までの距離を計算するために使用されます。この関数は、左右の異なる視点から得られた画像の視差を基にして、物体までの距離を計測します。視差とは、同じ物体が異なる位置に見えることを指し、この差を利用して3D空間内の距離を算出します。

binocular_distance 関数とは

binocular_distance関数は、左右のカメラから取得したステレオ画像を使用して、物体までの距離を正確に計測するための関数です。視差を計算することで、画像の対応点間のずれを基にして物体の奥行きや距離を算出します。このプロセスには、カメラの配置、焦点距離、画像内の対応点の検出が重要です。

基本的な使用例

以下は、binocular_distance関数を使用してステレオ画像から物体までの距離を計測する基本的な例です。

* 左右のステレオ画像を読み込み
read_image (ImageLeft, 'stereo_left.png');
read_image (ImageRight, 'stereo_right.png');

* 距離計測を実行
binocular_distance (ImageLeft, ImageRight, DistanceMap, 'method', 'stereo_matching');

この例では、read_imageで左右のステレオ画像を読み込んでいます。次に、binocular_distance関数を使用して、視差に基づいて物体までの距離を計算し、その結果をDistanceMapに格納します。'method'引数では、視差計算に使用するアルゴリズム（例: 'stereo_matching'）を指定します。

引数の詳細

• ImageLeft
  左カメラからの入力画像。
• ImageRight
  右カメラからの入力画像。
• DistanceMap
  計算された距離マップ。各ピクセルごとの距離情報が格納されます。
• Method
  距離計測に使用するアルゴリズム。例として'stereo_matching'があります。

ステレオビジョンによる距離計測の用途

ステレオビジョンによる距離計測は、次のような用途で役立ちます。

• 3D測定
  物体の奥行きや位置を正確に測定し、シーン全体の3D情報を取得するために使用されます。

• ロボットビジョン
  ロボットが物体を正確に操作するためには、物体までの距離を把握する必要があります。この関数を使用することで、物体との距離を精密に計測し、ロボットの動作を最適化します。

• 自動運転
  自動運転システムでは、車両や障害物との距離をリアルタイムで測定する必要があります。ステレオビジョンを利用して、周囲の物体までの距離を安全に把握できます。

応用例: ロボットビジョンでの距離計測

次に、ロボットビジョンで物体までの距離を計測するためのbinocular_distance関数の使用例を紹介します。

* ロボットのステレオカメラから画像を読み込み
read_image (ImageLeft, 'robot_left.png');
read_image (ImageRight, 'robot_right.png');

* 距離計測を実行して物体までの距離を取得
binocular_distance (ImageLeft, ImageRight, DistanceMap, 'method', 'stereo_matching');

* 距離マップに基づいて物体までの正確な距離を計算
calculate_object_distance (DistanceMap, ObjectDistance);

この例では、ロボットシステムで取得されたステレオ画像を使用して、物体までの距離を計算しています。binocular_distance関数によって作成されたDistanceMapを基に、物体までの距離を取得しています。これにより、ロボットは正確な距離情報を得て、物体操作の精度を向上させます。

binocular_distance 関数の利点

• 正確な距離計測
  視差を使用して、物体までの距離を正確に計測することができます。これにより、3D測定や物体認識の精度が向上します。

• 幅広い応用性
  3D測定、ロボットビジョン、自動運転など、さまざまな分野で使用できる柔軟な技術です。

• リアルタイム処理
  リアルタイムで距離計測を行うことができ、動的な環境でも信頼性の高い距離情報を提供します。

まとめ

HALCONのbinocular_distance関数は、ステレオカメラを使用して物体までの距離を計測するための強力なツールです。視差を基にして距離を正確に計算し、ロボットビジョンや自動運転、3D測定など、さまざまな分野で活用されます。正確な距離計測が必要なシステムで、この関数を使用して高度な解析を実現してください。