【HALCON】binocular_distance_ms 関数について - マルチステージ距離計測

【HALCON】binocular_distance_ms 関数について  - マルチステージ距離計測

2024-08-24

2024-08-24

HALCONbinocular_distance_ms関数は、ステレオカメラシステムから得られた2枚の画像を基に、複数の処理ステージを通じて物体までの距離を計測するための関数です。視差を複数の段階で計算し、その精度を段階的に高めることで、より複雑なシーンでも正確な距離情報を取得することが可能です。この技術は、3D測定やロボットビジョンなど、精密な距離計測が求められる分野で非常に有効です。

binocular_distance_ms 関数とは

binocular_distance_ms関数は、複数の処理ステージを経て視差を計算し、物体までの距離を計測するための機能を提供します。ステレオ画像内の対応する点の視差を計算し、次のステージでその視差の精度を高めることで、物体までの距離を正確に取得します。このマルチステージアプローチにより、シーンの複雑さに関わらず高精度な測定が可能です。

基本的な使用例

以下は、binocular_distance_ms関数を使用してステレオ画像から物体までの距離を計測する基本的な例です。

* 左右のステレオ画像を読み込み
read_image (ImageLeft, 'stereo_left.png');
read_image (ImageRight, 'stereo_right.png');

* マルチステージの距離計測を実行
binocular_distance_ms (ImageLeft, ImageRight, DistanceMap, 'method', 'multi_stage_stereo_matching');

この例では、左右のステレオ画像ImageLeftImageRightを読み込み、binocular_distance_ms関数を使用して、複数の処理ステージで視差を計算し、その結果をDistanceMapに格納します。これにより、物体までの正確な距離を測定できます。

引数の詳細

  • ImageLeft
    左カメラからの入力画像。
  • ImageRight
    右カメラからの入力画像。
  • DistanceMap
    計算された距離マップで、各ピクセルの距離情報が格納されます。
  • Method
    視差計算に使用するアルゴリズムを指定します(例: 'multi_stage_stereo_matching')。

マルチステージ距離計測の用途

マルチステージ距離計測は、複数の処理段階を経ることで、シーン全体や複雑な物体に対して正確な距離情報を取得します。次のような場面で効果的です。

  • 複雑なシーンの3D計測
    複数のステージで視差の精度を段階的に高めることで、複雑な形状やシーン全体での距離計測が可能になります。

  • ロボットビジョン
    ロボットが操作する物体の距離を正確に把握するために、複数のステージで視差計算を行い、精度の高い距離情報を取得します。

  • 精密な測定を必要とする場面
    製造業の検査や自動運転など、距離の誤差が許容されないシステムでは、マルチステージのアプローチが適しています。

応用例: 自動運転での距離計測

次の例では、binocular_distance_ms関数を使用して、自動運転システムにおいて障害物までの距離を正確に計測する方法です。

* 自動運転システムのステレオ画像を読み込み
read_image (ImageLeft, 'road_left.png');
read_image (ImageRight, 'road_right.png');

* マルチステージ距離マップを生成
binocular_distance_ms (ImageLeft, ImageRight, DistanceMap, 'method', 'multi_stage_stereo_matching');

* 物体までの距離を計算
calculate_object_distance (DistanceMap, ObjectDistance);

この例では、自動運転システムで使用されるステレオ画像をもとに、マルチステージで視差を計算し、距離を測定します。DistanceMapには計算された視差データが含まれており、それを用いて物体までの正確な距離を取得します。

binocular_distance_ms 関数の利点

  • 高精度な距離計測
    複数のステージで視差を計算し、精度を段階的に向上させるため、正確な距離情報が取得できます。

  • 複雑なシーンへの対応
    シーン内に存在する複雑な形状や異なるテクスチャを持つ物体でも、視差の精度を高めることで正確な距離計測が可能です。

  • 幅広い応用性
    ロボットビジョン、自動運転、製造業の検査など、さまざまな分野で精度の高い距離測定を必要とする場面で使用されます。

まとめ

HALCONbinocular_distance_ms関数は、複数の処理ステージを使用して、ステレオ画像から正確な距離情報を取得するための強力なツールです。特に複雑なシーンや高精度な距離測定が求められる場面で効果的に機能し、製造業やロボットビジョン、自動運転システムにおいて重要な役割を果たします。高精度な距離計測が必要なシステムにおいて、この関数を使用して優れた解析結果を得てください。

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