【HALCON】camera_calibration 関数について - カメラキャリブレーション

HALCONのcamera_calibration関数は、カメラの内部パラメータ（焦点距離、主点、歪み係数など）および外部パラメータ（カメラの位置と向き）を精度よく調整するために使用されます。これにより、3Dビジョンシステムや画像処理において、正確な距離測定や物体認識が可能になります。キャリブレーションプロセスを経ることで、カメラの歪みを補正し、計測の精度を大幅に向上させることができます。

camera_calibration 関数とは

camera_calibration関数は、カメラキャリブレーションプロセスの中心的な役割を担います。この関数は、複数のキャリブレーション画像とキャリブレーションターゲットを使用し、カメラの内部および外部パラメータを計算します。これにより、カメラの視野内で正確な3D計測や画像解析が行えるようになります。

基本的な使用例

以下は、camera_calibration関数を使用してカメラキャリブレーションを行う基本的な例です。

* キャリブレーションターゲットの画像を読み込み
read_image (CalibImage1, 'calib_image_1.png');
read_image (CalibImage2, 'calib_image_2.png');

* キャリブレーションデータを作成
create_calib_data ('calibration_object', 0, CalibDataID);

* キャリブレーションターゲットをシステムに登録
find_calib_object (CalibDataID, CalibImage1, 0, 0, 0);
find_calib_object (CalibDataID, CalibImage2, 0, 1, 0);

* カメラのキャリブレーションを実行
camera_calibration (CalibDataID, CameraParams, Error);

この例では、read_image関数でキャリブレーションターゲットの画像を読み込み、create_calib_dataでキャリブレーションデータを作成します。その後、find_calib_object関数でターゲットを検出し、camera_calibration関数を使用してカメラの内部および外部パラメータをキャリブレーションします。

引数の詳細

• CalibDataID: キャリブレーションデータのID
• CameraParams: キャリブレーション後のカメラパラメータ（焦点距離、主点、歪み係数など）
• Error: キャリブレーションの誤差（出力パラメータ）

カメラキャリブレーションの用途

カメラキャリブレーションは、次のような場面で特に重要です。

• 3Dビジョンシステム
  複数の視点から取得した画像を使用して、物体の正確な3Dモデルを再構築する際に必要です。キャリブレーションを行うことで、カメラ間の位置関係が正確に計算されます。

• 画像処理と分析
  レンズの歪みを補正することで、画像内での物体の正確な位置やサイズを計測できます。特に工業検査やロボティクスの分野で重要です。

• ロボットビジョン
  ロボットアームに取り付けられたカメラを使用して、正確な位置決めや物体の把握を行うためにキャリブレーションが不可欠です。

応用例: 3Dビジョンシステムでの使用

次の例では、camera_calibration関数を使用して、3Dビジョンシステムのカメラをキャリブレーションし、正確な3D計測を行います。

* キャリブレーションターゲットの画像を読み込み
read_image (CalibImage1, 'calib_image_1.png');
read_image (CalibImage2, 'calib_image_2.png');

* キャリブレーションデータを作成
create_calib_data ('calibration_object', 0, CalibDataID);

* キャリブレーションターゲットの検出
find_calib_object (CalibDataID, CalibImage1, 0, 0, 0);
find_calib_object (CalibDataID, CalibImage2, 0, 1, 0);

* カメラキャリブレーションを実行
camera_calibration (CalibDataID, CameraParams, Error);

* 3D計測を行うためにカメラパラメータを使用
measure_3d_point (CameraParams, X, Y, Z);

この例では、キャリブレーションターゲットを使用してカメラキャリブレーションを行い、その結果を3D測定に使用しています。キャリブレーションによって、カメラの内部パラメータが調整され、より正確な3Dデータの取得が可能になります。

camera_calibration 関数の利点

• 精度の高いカメラ調整
  カメラの内部および外部パラメータを正確にキャリブレーションすることで、画像解析や3Dビジョンシステムの精度が大幅に向上します。

• 歪み補正
  レンズの歪みを補正することにより、画像処理の正確性が向上し、誤差を最小限に抑えることができます。

• 多用途な対応
  さまざまなタイプのカメラやキャリブレーションターゲットに対応し、幅広いアプリケーションで使用可能です。

まとめ

HALCONのcamera_calibration関数は、カメラの内部および外部パラメータを正確に調整し、3Dビジョンシステムや画像処理の精度を向上させるための強力なツールです。キャリブレーションを正確に行うことで、計測の精度が向上し、信頼性の高いシステムを構築することができます。この関数を使用して、効果的なキャリブレーションを実現しましょう。