【HALCON】change_radial_distortion_cam_par 関数について - カメラのラジアル歪み補正

HALCONのchange_radial_distortion_cam_par関数は、カメラレンズのラジアル歪み（樽型や枕型の歪み）を補正するために使用されます。ラジアル歪みは、カメラレンズの中心から離れるほど画像が歪む現象であり、正確な画像解析や測定に悪影響を及ぼします。この関数を使用して、カメラの内部パラメータを変更し、歪みを補正することができます。

change_radial_distortion_cam_par 関数とは

change_radial_distortion_cam_par関数は、カメラの内部パラメータに基づいてラジアル歪みを補正するための関数です。通常、キャリブレーションプロセスで推定されたラジアル歪みパラメータを使用して、画像の歪みを補正し、正確な画像処理を可能にします。この補正は、特に精度が重要な計測アプリケーションや画像解析で必要です。

基本的な使用例

以下は、change_radial_distortion_cam_par関数を使用してカメラのラジアル歪みを補正する基本的な例です。

* 元のカメラパラメータを定義
OriginalCamParams := [0.0028, 0, 0.0014, 0.0014, 1280, 720, 0.1, 0.001, 0.001, 0]

* ラジアル歪みパラメータを変更
NewCamParams := OriginalCamParams
change_radial_distortion_cam_par (OriginalCamParams, NewDistortionParams, NewCamParams)

この例では、OriginalCamParamsでカメラの内部パラメータを定義し、change_radial_distortion_cam_par関数を使用して、歪み補正を適用した新しいカメラパラメータNewCamParamsを計算しています。

引数の詳細

• OriginalCamParams: 元のカメラパラメータ（焦点距離、主点、歪みパラメータなど）
• NewDistortionParams: 新しいラジアル歪みパラメータ（補正のための値）
• NewCamParams: 歪み補正後のカメラパラメータ（出力値）

ラジアル歪み補正の用途

ラジアル歪み補正は、次のような場面で特に重要です。

• 精度の高い計測
  レンズの歪みを補正することで、画像中の物体の位置やサイズを正確に測定できます。

• 画像解析
  歪んだ画像を補正することで、物体認識や形状解析の精度を向上させることができます。

• 3Dビジョンシステム
  複数のカメラで撮影した画像を統合する際、歪み補正によって正確な3Dモデルを生成できます。

応用例: 製品検査での使用

次の例では、製品検査の際にカメラのラジアル歪みを補正し、正確な寸法測定を行います。

* 元のカメラパラメータを読み込み
OriginalCamParams := [0.0028, 0, 0.0014, 0.0014, 1280, 720, 0.1, 0.001, 0.001, 0]

* 新しいラジアル歪みパラメータを適用してカメラパラメータを補正
NewDistortionParams := [0.0, 0.0]
change_radial_distortion_cam_par (OriginalCamParams, NewDistortionParams, NewCamParams)

* 製品画像の読み込みと補正
read_image (Image, 'product_image.png')
gen_image_const (CorrectedImage, 'byte', 1280, 720)
apply_radial_distortion_image (Image, CorrectedImage, NewCamParams)

* 補正後の画像を使用して測定
measure_area_center (CorrectedImage, Area, Row, Column)

この例では、製品検査のためにカメラの歪みを補正し、正確な寸法測定が行われています。apply_radial_distortion_image関数を使用して画像の補正を行い、その後、measure_area_center関数で測定を実施しています。

change_radial_distortion_cam_par 関数の利点

• 精度向上
  ラジアル歪みを補正することで、画像解析や計測の精度が向上します。

• 柔軟な歪み補正
  様々なレンズの歪みに対応できるため、異なるカメラシステムでも正確な補正が可能です。

• 多様なアプリケーション
  製品検査、形状解析、3Dビジョンなど、多くの画像処理アプリケーションで利用可能です。

まとめ

HALCONのchange_radial_distortion_cam_par関数は、カメラレンズのラジアル歪みを補正し、正確な画像処理と解析を可能にする重要なツールです。この関数を使用することで、レンズの歪みが原因で発生する測定誤差や画像解析の問題を解決し、精度の高い処理を実現することができます。