【HALCON】change_radial_distortion_contours_xld 関数について - XLD輪郭のラジアル歪み補正

HALCONのchange_radial_distortion_contours_xld関数は、XLD輪郭（エッジや輪郭データ）のラジアル歪みを補正するために使用されます。カメラレンズの歪みは、画像内の物体の形状や寸法に影響を与えることがあります。この関数を使用することで、歪んだ輪郭データを正確に補正し、正確な形状データを取得することができます。

change_radial_distortion_contours_xld 関数とは

change_radial_distortion_contours_xld関数は、カメラレンズによって生じるラジアル歪みを補正するためにXLD輪郭データを調整する関数です。カメラキャリブレーションや画像解析で、正確な輪郭データが必要な場合に、カメラの内部パラメータを基に歪みを取り除きます。この操作により、正確な物体認識や計測が可能になります。

基本的な使用例

以下は、change_radial_distortion_contours_xld関数を使用してXLD輪郭のラジアル歪みを補正する基本的な例です。

* カメラパラメータを定義
OriginalCamParams := [0.0028, 0, 0.0014, 0.0014, 1280, 720, 0.1, 0.001, 0.001, 0]

* XLD輪郭を生成（例: エッジ検出後の輪郭）
gen_rectangle1 (Rectangle, 100, 100, 200, 200)
edges_sub_pix (Rectangle, XLDContours, 'canny', 1, 20, 40)

* XLD輪郭のラジアル歪み補正
change_radial_distortion_contours_xld (XLDContours, OriginalCamParams, NewDistortionParams, CorrectedContours)

この例では、元のカメラパラメータをOriginalCamParamsに設定し、edges_sub_pix関数で生成されたXLD輪郭のラジアル歪みをchange_radial_distortion_contours_xld関数を使って補正しています。

引数の詳細

• XLDContours: 元のXLD輪郭データ（歪みがある輪郭）
• OriginalCamParams: 元のカメラパラメータ（歪み補正前）
• NewDistortionParams: 新しいラジアル歪みパラメータ（歪み補正のためのパラメータ）
• CorrectedContours: 歪み補正後のXLD輪郭データ（出力）

XLD輪郭のラジアル歪み補正の用途

XLD輪郭のラジアル歪み補正は、次のような場面で特に重要です。

• 精密な形状解析
  画像内の物体の形状を正確に認識し、解析する際に、ラジアル歪みの影響を排除する必要があります。

• 寸法測定の精度向上
  ラジアル歪みがあると、正確な寸法測定が難しくなります。歪み補正を行うことで、信頼性の高い計測結果を得ることができます。

• 製造業での検査・計測
  製造ラインでの品質検査や寸法測定で、正確な輪郭が求められる場合にこの補正が必要です。

応用例: 製品の形状検査での使用

次の例では、製品の形状検査において、XLD輪郭のラジアル歪みを補正し、正確な形状データを使用しています。

* カメラパラメータと輪郭データを定義
OriginalCamParams := [0.0028, 0, 0.0014, 0.0014, 1280, 720, 0.1, 0.001, 0.001, 0]

* 製品画像から輪郭を抽出
read_image (ProductImage, 'product_image.png')
edges_sub_pix (ProductImage, XLDContours, 'canny', 1, 20, 40)

* 製品の形状検査のためにXLD輪郭を補正
NewDistortionParams := [0.0, 0.0]
change_radial_distortion_contours_xld (XLDContours, OriginalCamParams, NewDistortionParams, CorrectedContours)

* 補正された輪郭を使用して形状検査を実施
fit_rectangle2_contour_xld (CorrectedContours, 'true', 1, 0, 0, 3, 2, Row, Column, Phi, Length1, Length2, Dist)
dev_display (CorrectedContours)

この例では、製品の画像から抽出したXLD輪郭にラジアル歪み補正を適用し、正確な形状データを元に検査を行っています。fit_rectangle2_contour_xld関数を使用して、製品の正確な寸法を取得しています。

change_radial_distortion_contours_xld 関数の利点

• 正確な輪郭補正
  ラジアル歪みを補正することで、正確な輪郭データが得られ、測定や認識の精度が向上します。

• 精密な形状計測
  歪みのない輪郭データを使用することで、物体の寸法や形状を正確に計測できます。

• 幅広いアプリケーションに対応
  製造業の品質検査、ロボティクス、3Dビジョンシステムなど、多くの応用分野で利用可能です。

まとめ

HALCONのchange_radial_distortion_contours_xld関数は、XLD輪郭のラジアル歪みを補正するための強力なツールです。正確な輪郭データを取得することで、物体認識や形状解析、寸法測定の精度を向上させることができます。この関数を活用して、歪み補正を行い、より正確な画像処理を実現しましょう。