【HALCON】change_radial_distortion_image 関数について - 画像のラジアル歪み補正
2024-08-24
2024-08-24
HALCON
のchange_radial_distortion_image
関数は、カメラレンズによるラジアル歪みを補正し、画像を正確な形状に戻すために使用されます。カメラのレンズは、中心から遠くなるにつれて歪みが発生し、特に精密な画像解析や測定に悪影響を与えることがあります。この関数を使用して、ラジアル歪みを補正し、歪みのない正確な画像を生成することができます。
change_radial_distortion_image 関数とは
change_radial_distortion_image
関数は、元の画像とカメラのラジアル歪みパラメータを入力として、ラジアル歪みを補正した新しい画像を出力します。この補正によって、カメラのレンズによって発生する歪みが修正され、正確な画像が得られます。これは、特に3Dビジョンシステムや精密な計測を行う際に不可欠です。
基本的な使用例
以下は、change_radial_distortion_image
関数を使用して画像のラジアル歪みを補正する基本的な例です。
* 元のカメラパラメータを定義
OriginalCamParams := [0.0028, 0, 0.0014, 0.0014, 1280, 720, 0.1, 0.001, 0.001, 0]
* 歪みのある画像を読み込み
read_image (DistortedImage, 'distorted_image.png')
* 画像のラジアル歪みを補正
change_radial_distortion_image (DistortedImage, OriginalCamParams, NewDistortionParams, CorrectedImage)
* 補正後の画像を表示
dev_display (CorrectedImage)
この例では、歪みのある画像DistortedImage
を読み込み、change_radial_distortion_image
関数を使用して、ラジアル歪みを補正した新しい画像CorrectedImage
を生成しています。
引数の詳細
DistortedImage
: 歪みのある元の画像OriginalCamParams
: 元のカメラパラメータ(焦点距離、主点、歪み係数など)NewDistortionParams
: 新しいラジアル歪みパラメータ(歪み補正に使用されるパラメータ)CorrectedImage
: 歪み補正後の出力画像
ラジアル歪み補正の用途
ラジアル歪み補正は、次のような場面で特に効果的です。
-
精密な寸法測定
画像内の歪みが除去されることで、物体の正確な寸法を測定できます。 -
3Dビジョンシステム
複数のカメラ画像を統合する際、歪みを補正して正確な3Dモデルを生成できます。 -
画像解析
歪みのない正確な画像を使用することで、物体認識や形状解析の精度が向上します。
応用例: 製品検査での画像補正
次の例では、製品検査において、歪みのある画像を補正し、正確な検査を行います。
* カメラパラメータと画像を読み込み
OriginalCamParams := [0.0028, 0, 0.0014, 0.0014, 1280, 720, 0.1, 0.001, 0.001, 0]
read_image (DistortedImage, 'product_image.png')
* 画像のラジアル歪みを補正
NewDistortionParams := [0.0, 0.0]
change_radial_distortion_image (DistortedImage, OriginalCamParams, NewDistortionParams, CorrectedImage)
* 補正後の画像を使用して検査を実施
threshold (CorrectedImage, Region, 128, 255)
dev_display (Region)
この例では、製品の検査画像を補正し、ラジアル歪みを取り除いた正確な画像を基に、しきい値処理による検査を行っています。threshold
関数を使用して、補正された画像から対象領域を抽出しています。
change_radial_distortion_image 関数の利点
-
精度の向上
歪みのない画像を使用することで、寸法測定や物体認識の精度が大幅に向上します。 -
柔軟な歪み補正
異なるカメラシステムやレンズに対応し、様々な画像補正の要件に対応できます。 -
多様なアプリケーション
製造業の品質検査、ロボティクス、3Dビジョンなど、幅広い分野で利用可能です。
まとめ
HALCON
のchange_radial_distortion_image
関数は、カメラレンズによるラジアル歪みを補正するための強力なツールです。この関数を使用することで、歪んだ画像を正確な形状に戻し、正確な測定や解析を行うことができます。特に、精度が求められるアプリケーションでは、この歪み補正を行うことで結果の信頼性を高めることが可能です。