【HALCON】clip_contours_xld 関数について - 輪郭のクリッピング

HALCONのclip_contours_xld関数は、XLD形式の輪郭を指定された境界内にクリッピング（切り取る）するための関数です。画像処理において、輪郭が指定された領域を超えている場合、その輪郭を所定の範囲内に収めるために使用されます。この関数を利用することで、特定の領域に対して正確な輪郭操作を行い、処理の効率化や精度向上が可能となります。

clip_contours_xld 関数とは

clip_contours_xld関数は、XLD（Extended Line Description）形式の輪郭を指定された長方形の境界内にクリッピングします。例えば、画像内のオブジェクトの輪郭が画像外に出てしまっている場合、この関数を使用することで、その輪郭を画像内に収めることができます。

基本的な使用例

以下は、clip_contours_xld関数を使用して、XLD輪郭を特定の境界内にクリッピングする基本的な例です。

* XLD輪郭を取得
get_contours_xld(Contours, 'all')

* 輪郭を特定の境界内にクリッピング
clip_contours_xld(Contours, ClippedContours, 100, 100, 400, 400, 'true')

この例では、まずget_contours_xld関数を使用してXLD輪郭を取得し、その後clip_contours_xld関数を使用して、輪郭を(100,100)から(400,400)の範囲内にクリッピングしています。

引数と戻り値

• Contours
  クリッピング対象となる入力のXLD輪郭。
• ClippedContours
  クリッピングされたXLD輪郭の出力。
• Row1, Col1
  クリッピング領域の左上の座標。
• Row2, Col2
  クリッピング領域の右下の座標。
• KeepInside
trueの場合、輪郭がクリッピング領域内に完全に収まる部分のみが保持されます。

使用する場面

clip_contours_xld関数は、次のような場面で特に有効です。

• 画像の指定領域内で輪郭を制約する場合
  輪郭が画像の境界を超えている場合、その輪郭を画像内に収めるために使用します。

• 画像領域の一部に対して輪郭操作を行う場合
  特定の領域にのみ輪郭処理を適用したい場合、この関数で不要な部分をクリッピングし、必要な範囲に限定した処理が可能です。

• ROI（Region of Interest）内の輪郭操作
  ROI内での輪郭のクリッピングにより、より正確な画像解析を行うことができます。

応用例: 輪郭の複数クリッピング処理

次の例では、複数のXLD輪郭を異なるクリッピング領域で処理し、それぞれのクリッピング結果を保持しています。

* 複数の輪郭をクリッピング
for i := 1 to NumContours by 1
    clip_contours_xld(Contours[i], ClippedContours[i], 50, 50, 300, 300, 'true')
endfor

この例では、複数のXLD輪郭を(50,50)から(300,300)の範囲内に収め、クリッピング結果をClippedContoursとして保存しています。

clip_contours_xld 関数の利点

• 範囲内に輪郭を収める
  画像処理で特定の領域に制限をかけたい場合に、指定した範囲外の不要な部分を簡単に除去できます。

• 精度の高い輪郭操作が可能
  必要な領域内で正確に輪郭を処理できるため、ROI内の解析や特定のエリアに対する処理が効率化されます。

• 柔軟なクリッピングオプション
  KeepInsideパラメータにより、領域内に完全に収まる輪郭のみを保持するなど、柔軟なクリッピングが可能です。

まとめ

HALCONのclip_contours_xld関数は、XLD形式の輪郭を指定した領域内にクリッピングするための強力なツールです。輪郭が画像の外に出てしまった場合でも、この関数を利用して領域内に収めることができ、画像処理の精度を高めることが可能です。効率的なクリッピング操作により、画像解析や輪郭操作の効率が向上します。