【HALCON】clip_region_rel 関数について - 相対座標での領域クリッピング
2024-08-24
2024-08-24
HALCON
のclip_region_rel
関数は、指定された相対的な座標から領域をクリッピングするための関数です。この関数を使用することで、絶対的な座標ではなく、相対的な距離や範囲を基にして領域をクリッピングし、領域を特定の範囲に収めることができます。相対的なクリッピングを利用することで、柔軟に領域操作が可能となります。
clip_region_rel 関数とは
clip_region_rel
関数は、既存の領域に対して、相対座標を使用してクリッピングを行う機能を提供します。例えば、指定された領域から一定の距離内で部分的にクリッピングする際に便利です。この方法は、画像のサイズや座標が変動する場合でも、一貫して相対的な範囲内で領域を操作できるため、柔軟な処理が可能です。
基本的な使用例
以下は、clip_region_rel
関数を使用して、相対座標で領域をクリッピングする基本的な例です。
* 領域を生成
gen_rectangle1(Rectangle, 50, 50, 200, 200)
* 領域を相対的にクリッピング
clip_region_rel(Rectangle, ClippedRegion, -20, -20, 20, 20)
この例では、gen_rectangle1
関数で生成された矩形を、clip_region_rel
関数で相対的にクリッピングしています。クリッピングは、矩形の上側と左側に20ピクセルを追加し、下側と右側から20ピクセルを削除することで行われています。
引数と戻り値
Region
クリッピング対象の入力領域。ClippedRegion
クリッピング後の領域。DeltaRow1, DeltaCol1
クリッピング領域の左上の相対的な変位。DeltaRow2, DeltaCol2
クリッピング領域の右下の相対的な変位。
使用する場面
clip_region_rel
関数は、次のような場面で特に有効です。
-
動的な画像サイズに応じて領域を調整したい場合
相対座標で領域をクリッピングするため、画像サイズや位置が変動する場合にも対応できます。 -
領域の端を特定の割合で調整する必要がある場合
特定の割合で領域を拡大または縮小する際に、相対座標を使用することで柔軟に対応できます。 -
ROI(Region of Interest)の柔軟な操作
既存のROIを基にして、新しい領域を相対的に定義し、その領域内でクリッピングを行うことが可能です。
応用例: 相対座標を使った領域のダイナミッククリッピング
次の例では、相対的な座標を使用して複数の領域をクリッピングし、各領域のサイズと形状を動的に調整しています。
* 複数の領域を相対的にクリッピング
for i := 1 to NumRegions by 1
clip_region_rel(Regions[i], ClippedRegions[i], -10, -10, 10, 10)
endfor
この例では、各領域の上下左右に対して10ピクセルずつクリッピングを行い、元の領域を基にした相対的なサイズ変更を実施しています。
clip_region_rel 関数の利点
-
動的な領域操作
相対的な座標でクリッピングを行うため、画像サイズや領域が変わる場合でも柔軟に対応できます。 -
正確な領域の調整が可能
既存の領域に対して、細かい微調整を行うことができるため、正確な領域操作が可能です。 -
メモリ効率の向上
不要な領域を排除することで、メモリの効率化が図られ、パフォーマンス向上にも寄与します。
まとめ
HALCON
のclip_region_rel
関数は、相対座標を使用して領域をクリッピングするための便利なツールです。動的な画像サイズや位置に対応し、柔軟な領域操作が可能になります。この関数を活用して、画像処理におけるROIや領域操作の精度と効率を向上させましょう。