【HALCON】depth_from_focus 関数について - 焦点を用いた深度推定

HALCONのdepth_from_focus関数は、焦点情報を用いて画像内の対象物の深度を推定するための関数です。複数の焦点が異なる画像を解析し、各ピクセルの深度情報を推定することで、3D形状の復元や表面プロファイルの取得を行います。この技術は、産業用検査、医療画像処理、ロボティクスなど、さまざまな分野で活用されています。

depth_from_focus 関数の概要

depth_from_focus関数は、異なる焦点距離で撮影された複数の画像を入力とし、これらの画像から各ピクセルの深度を計算します。各ピクセルにおける最も鮮明な画像（最も焦点が合った画像）を特定することで、対象物の深度を推定します。このプロセスにより、対象物の3D構造や表面の詳細なプロファイルを再構築することができます。

使用方法

depth_from_focus関数は以下のように使用します。

depth_from_focus (Images, CameraParam, DepthImage)

引数の説明

• Images
  異なる焦点距離で撮影された複数の画像を指定します。これらの画像は、同じシーンを異なる焦点距離で撮影したものでなければなりません。

• CameraParam
  カメラの内部パラメータを指定します。これにより、カメラの焦点距離や画像サイズが考慮されます。

• DepthImage
  出力として、推定された深度情報を格納する画像を指定します。各ピクセルの値が深度を示します。

具体例

例えば、異なる焦点で撮影された一連の画像を用いて、対象物の深度を推定する場合、次のようにコードを記述します。

* 複数の焦点画像の読み込み
gen_image_proto (Images, 'file_format', 'image1.png', 'image2.png', 'image3.png')

* カメラパラメータの設定
gen_cam_par_area_scan_division(0.02, 0, 0, 0, 0, 0, 1000, 1000, CameraParam)

* 深度推定の実行
depth_from_focus (Images, CameraParam, DepthImage)

* 深度画像の表示
dev_disp_image (DepthImage)

この例では、3つの異なる焦点距離で撮影された画像を使用してdepth_from_focus関数を実行し、対象物の深度情報を推定しています。

応用例

depth_from_focus関数は、産業用の品質検査や非接触型の3Dスキャン、医療分野における内視鏡画像解析などに応用されます。特に、対象物に触れることなく詳細な3D情報を取得できるため、精密な検査や解析に最適です。

まとめ

HALCONのdepth_from_focus関数は、複数の焦点距離で撮影された画像から深度情報を推定し、対象物の3D形状や表面プロファイルを再構築するための強力なツールです。この関数を使用して、様々な分野での精密な画像解析と3Dモデリングを効率的に行ってください。