【HALCON】dilation_seq 関数について - シーケンシャルな膨張処理
2024-09-02
2024-09-02
HALCON
のdilation_seq
関数は、シーケンシャルな膨張処理を実行するためのツールです。この関数を利用することで、複数の膨張ステップを順次適用し、画像の領域を効果的に拡張できます。これにより、形状解析やノイズ除去など、より高度な画像処理が可能になります。
dilation_seq 関数の概要
dilation_seq
関数は、指定された複数の膨張処理を順次適用することで、画像内の領域を拡張します。このシーケンシャルなアプローチにより、通常の単一の膨張処理では得られない複雑な形状の処理や、精度の高い領域の拡張が可能になります。各ステップで異なる構造要素を使用することで、特定の形状特性に対して最適な膨張処理を行うことができます。
使用方法
dilation_seq
関数の基本的な使用方法は以下の通りです。
dilation_seq(Region, RegionDilation, StructElements)
-
Region
シーケンシャルな膨張処理を行う対象となる入力領域を指定します。 -
RegionDilation
シーケンシャルな膨張処理の結果が格納される変数を指定します。この変数には、最終的に処理が適用された後の領域が格納されます。 -
StructElements
膨張処理に使用する構造要素のリストを指定します。各ステップで異なる構造要素が順次適用されます。
具体例
以下は、dilation_seq
関数を使用して画像の領域をシーケンシャルに膨張させる例です。
* 画像の読み込み
read_image(Image, 'example_image.png')
* 二値化による領域抽出
threshold(Image, Region, 128, 255)
* 複数の構造要素を使用して領域をシーケンシャルに膨張
gen_circle(StructElement1, 3)
gen_rectangle1(StructElement2, 1, 1, 5, 5)
StructElements := [StructElement1, StructElement2]
dilation_seq(Region, RegionDilation, StructElements)
* 結果を表示
disp_region(RegionDilation, WindowHandle)
この例では、example_image.png
という画像を読み込み、しきい値処理によって抽出された領域に対して、円形と矩形の構造要素をシーケンシャルに適用して膨張処理を行っています。膨張後の領域は、画面に表示されます。
dilation_seq の応用
この関数は、以下のようなシナリオで特に有用です。
-
複雑な形状解析
複数の構造要素を組み合わせて適用することで、複雑な形状の解析が可能になります。 -
精度の高いノイズ除去
シーケンシャルな膨張処理により、画像内のノイズを効率的に除去し、クオリティを向上させることができます。 -
カスタマイズされた領域の拡張
特定の処理ニーズに応じて、構造要素の組み合わせを変更し、最適な領域拡張を実現します。
まとめ
HALCON
のdilation_seq
関数は、シーケンシャルな膨張処理を通じて、画像内の領域を高度に解析し、拡張するための強力なツールです。この関数を使用することで、形状解析やノイズ除去など、複雑な画像処理タスクをより精密に行うことが可能になります。