【HALCON】distance_pc 関数について - 点と輪郭間の距離計算

HALCONのdistance_pc関数は、特定の点とXLD（eXtended Line Description）輪郭間の最短距離を計算するための重要なツールです。この関数を使用することで、画像内の点と輪郭の位置関係を定量的に評価し、解析や認識の精度を向上させることができます。特に、特定の位置から輪郭までの距離を測定する際に有効です。

distance_pc 関数の概要

distance_pc関数は、指定された点とXLD輪郭との間の最短距離を計算します。この計算により、点と輪郭がどの程度接近しているか、または離れているかを評価でき、物体間の位置関係や配置の精度を確認するのに役立ちます。

使用方法

基本的な使用方法は以下の通りです。

distance_pc(Row, Column, Contour, Mode, DistanceMin, DistanceMax, DistanceContour)

• Row
  点の行座標（y座標）。
• Column
  点の列座標（x座標）。
• Contour
  XLD輪郭オブジェクト。
• Mode
  距離計算のモード（例えば、最短距離や最大距離などを指定）。
• DistanceMin
  計算された最小距離の出力。
• DistanceMax
  計算された最大距離の出力。
• DistanceContour
  最短距離を持つ輪郭のポイント。

この関数は、指定された点と輪郭間の最短および最大距離を計算し、その結果を出力します。また、最短距離を持つ輪郭のポイントも特定します。

具体例

以下に、distance_pc関数を使用した基本的な例を示します。

* 画像の読み込み
read_image(Image, 'input_image.jpg')

* 輪郭の抽出
edges_sub_pix(Image, Edges, 'canny', 1, 20, 40)

* 点の座標設定
Row := 100
Column := 50

* 点と輪郭間の距離計算
distance_pc(Row, Column, Edges, 'point_to_segment', DistanceMin, DistanceMax, DistanceContour)

* 結果の表示
dev_display(DistanceMin)
dev_display(DistanceMax)

この例では、指定された点と輪郭との間の最短距離と最大距離を計算し、その結果を表示しています。

応用例

distance_pc関数は、以下のようなシナリオで特に有用です。

• 物体と点の距離評価
  特定の点から物体の輪郭までの距離を測定し、位置関係を評価します。

• 配置の精度検証
  点と輪郭間の距離を測定して、物体や部品が適切に配置されているかどうかを検証します。

• 形状解析
  特定の位置から輪郭までの距離を評価し、解析の精度を向上させます。

まとめ

HALCONのdistance_pc関数は、特定の点とXLD輪郭間の最短距離を計算するための強力なツールです。この関数を活用することで、点と輪郭の位置関係を定量的に評価し、解析や認識の精度を向上させることができます。distance_pcを使用して、画像解析における点と物体の位置関係を正確に評価しましょう。