【HALCON】distance_rr_min_dil 関数について - 膨張した矩形間の最短距離計算

HALCONのdistance_rr_min_dil関数は、2つの矩形を膨張させた後、その間の最短距離を計算するための強力なツールです。この関数を使用することで、画像内の2つの矩形の膨張後の位置関係を定量的に評価し、解析や認識の精度を向上させることができます。特に、物体同士の配置や干渉の可能性を評価する際に有効です。

distance_rr_min_dil 関数の概要

distance_rr_min_dil関数は、指定された2つの矩形を指定された量だけ膨張させ、その後の最短距離を計算します。この計算により、膨張した矩形同士がどの程度接近しているか、または離れているかを評価でき、物体間の配置の精度や干渉の可能性を確認するのに役立ちます。

使用方法

基本的な使用方法は以下の通りです。

distance_rr_min_dil(Row1, Column1, Phi1, Length1_1, Length2_1, Row2, Column2, Phi2, Length1_2, Length2_2, DistanceMin, Dilation)

• Row1
  最初の矩形の中心の行座標（y座標）。
• Column1
  最初の矩形の中心の列座標（x座標）。
• Phi1
  最初の矩形の回転角度（ラジアン単位）。
• Length1_1
  最初の矩形の長軸の半分の長さ。
• Length2_1
  最初の矩形の短軸の半分の長さ。
• Row2
  2つ目の矩形の中心の行座標（y座標）。
• Column2
  2つ目の矩形の中心の列座標（x座標）。
• Phi2
  2つ目の矩形の回転角度（ラジアン単位）。
• Length1_2
  2つ目の矩形の長軸の半分の長さ。
• Length2_2
  2つ目の矩形の短軸の半分の長さ。
• DistanceMin
  計算された最小距離の出力。
• Dilation
  膨張量（矩形を膨張させるための量）。

この関数は、指定された2つの矩形を膨張させ、その後の最短距離を計算し、その結果を出力します。

具体例

以下に、distance_rr_min_dil関数を使用した基本的な例を示します。

* 最初の矩形のパラメータ設定
Row1 := 100
Column1 := 50
Phi1 := rad(30)
Length1_1 := 100
Length2_1 := 50

* 2つ目の矩形のパラメータ設定
Row2 := 200
Column2 := 150
Phi2 := rad(45)
Length1_2 := 120
Length2_2 := 60

* 膨張量の設定
Dilation := 10

* 2つの膨張した矩形間の最短距離計算
distance_rr_min_dil(Row1, Column1, Phi1, Length1_1, Length2_1, Row2, Column2, Phi2, Length1_2, Length2_2, DistanceMin, Dilation)

* 結果の表示
dev_display(DistanceMin)

この例では、2つの矩形を膨張させ、その後の最短距離を計算し、その結果を表示しています。

応用例

distance_rr_min_dil関数は、以下のようなシナリオで特に有用です。

• 物体間の干渉評価
  矩形同士の距離を測定し、物体間の配置や干渉の可能性を評価します。

• 配置の精度検証
  2つの矩形間の距離を測定して、膨張後の配置や干渉を検証します。

• 形状解析
  膨張後の矩形間の距離の測定を通じて、形状や配置に関する解析を行います。特に、物体同士の接触や重なりを避ける必要があるアプリケーションでは重要です。

まとめ

HALCONのdistance_rr_min_dil関数は、2つの矩形を膨張させた後にその間の最短距離を計算するための便利なツールです。この関数を活用することで、物体間の配置や干渉を詳細に評価し、解析や認識の精度を向上させることができます。物体の干渉や配置の問題を解決する際に、特に役立つ関数です。