【HALCON】distance_sc 関数について - 直線と輪郭間の距離計算
2024-09-03
2024-09-03
HALCON
のdistance_sc
関数は、直線とXLD(eXtended Line Description)輪郭間の最短距離を計算するための重要なツールです。この関数を使用することで、画像内の直線と輪郭の位置関係を定量的に評価し、解析や認識の精度を向上させることができます。特に、直線的な特徴を持つ物体や形状の解析において重要な役割を果たします。
distance_sc 関数の概要
distance_sc
関数は、指定された直線とXLD輪郭との間の最短距離を計算します。この計算により、直線と輪郭がどの程度接近しているか、または離れているかを評価でき、物体間の位置関係や配置の精度を確認するのに役立ちます。
使用方法
基本的な使用方法は以下の通りです。
distance_sc(Row, Column, Angle, Contour, Mode, DistanceMin, DistanceMax)
Row
直線の通過点の行座標(y座標)。Column
直線の通過点の列座標(x座標)。Angle
直線の角度(ラジアン単位)。Contour
XLD輪郭オブジェクト。Mode
距離計算のモード(例えば、最短距離、最大距離などを指定)。DistanceMin
計算された最小距離の出力。DistanceMax
計算された最大距離の出力。
この関数は、指定された直線と輪郭間の最短および最大距離を計算し、その結果を出力します。
具体例
以下に、distance_sc
関数を使用した基本的な例を示します。
* 画像の読み込み
read_image(Image, 'input_image.jpg')
* 輪郭の抽出
edges_sub_pix(Image, Edges, 'canny', 1, 20, 40)
* 直線のパラメータ設定
Row := 100
Column := 50
Angle := rad(45)
* 直線と輪郭間の距離計算
distance_sc(Row, Column, Angle, Edges, 'point_to_segment', DistanceMin, DistanceMax)
* 結果の表示
dev_display(DistanceMin)
dev_display(DistanceMax)
この例では、指定された直線と輪郭との間の最短距離と最大距離を計算し、その結果を表示しています。
応用例
distance_sc
関数は、以下のようなシナリオで特に有用です。
-
物体と直線の配置精度の検証
物体が特定の直線や基準線に対してどの程度の位置関係にあるかを確認し、正確な配置が求められる工程や作業において役立ちます。 -
形状解析
直線的な特徴を持つ物体やパーツが、基準となるラインや他の要素とどのような距離関係にあるかを解析する際に使用されます。製造ラインでの部品検査やロボットビジョンでの形状認識に応用できます。 -
建築物や道路解析
画像解析技術を用いて、建物の輪郭と道路や他の直線構造物(基準線)との距離を計測し、都市計画や測量に役立てることが可能です。
まとめ
HALCON
のdistance_sc
関数は、直線とXLD輪郭の間の最短距離および最大距離を計算するための強力なツールです。この関数を活用することで、物体と基準線の位置関係や配置の正確さを定量的に評価し、解析の精度を向上させることができます。特に、直線的な物体や形状を持つシーンにおいて、その位置関係の解析に非常に有効です。さまざまな産業や用途で幅広く活用できるため、ぜひ試してみてください。