【HALCON】distance_transform 関数について - 距離変換の実装方法
2024-09-05
2024-09-05
HALCON
のdistance_transform
関数は、バイナリ画像に対して距離変換を実行し、各ピクセルが最近接の境界からどれだけ離れているかを計算するためのツールです。この変換により、画像内のオブジェクトと背景の間の空間的な関係を明確に把握でき、様々な画像解析のタスクに役立ちます。
distance_transform 関数の概要
distance_transform
関数は、バイナリ画像のすべてのピクセルについて、最も近いオブジェクトの境界からの距離を計算し、その結果をグレースケール画像として返します。この処理は、形状解析、物体認識、異常検知などのアプリケーションで広く使用されます。ピクセル値が大きいほど、境界からの距離が大きいことを示します。
使用方法
distance_transform
関数の基本的な使用方法は以下の通りです。
distance_transform(Image, DistanceImage, Metric)
Image
入力バイナリ画像。DistanceImage
距離変換後の出力画像。Metric
使用する距離計量法。例として'euclidean'
や'cityblock'
などがあります。
この関数は、入力バイナリ画像に基づいて各ピクセルの距離を計算し、出力画像にその結果を保存します。
具体例
以下に、distance_transform
関数を使用してバイナリ画像に対する距離変換を行う例を示します。
* バイナリ画像の生成
read_image(Image, 'sample_image')
binary_threshold(Image, BinaryImage, 128)
* 距離変換の実行
distance_transform(BinaryImage, DistanceImage, 'euclidean')
* 結果を表示
disp_image(DistanceImage, WindowHandle)
この例では、まず入力画像を読み込み、閾値処理によりバイナリ画像を生成します。その後、distance_transform
を使用してユークリッド距離を基準にした距離変換を実行し、結果をウィンドウに表示します。
応用例
distance_transform
は、以下のような用途に特に有用です。
-
形状解析
オブジェクトの内部構造を調べる際、距離変換を使用することで、中心から境界までの距離やパターンを解析できます。 -
異常検知
画像中の異常や欠陥を検出するために、距離変換によって得られた距離マップを使用して、標準的な形状からの偏差を測定できます。 -
パターン認識
距離変換を用いることで、パターンや特徴を効率的に認識し、オブジェクトの検出や分類に応用できます。
まとめ
HALCON
のdistance_transform
関数は、バイナリ画像に対して強力な距離変換を提供し、画像内の空間的な関係を詳細に分析するための重要なツールです。形状解析や異常検知など、幅広い画像処理アプリケーションでその活用が期待できます。