【HALCON】do_ocv_simple 関数について - シンプルな光学文字検証（OCV）処理

HALCONのdo_ocv_simple関数は、光学文字認識（OCR）とは異なり、印字された文字が正しく表示されているか、基準に基づいた品質検証を行うためのシンプルな光学文字検証（OCV）を実行するツールです。これは、製造業でのラベル検査や印字品質の管理に利用され、OCRプロセスに先立って、文字の適合性を確認する重要なステップです。

do_ocv_simple 関数の概要

do_ocv_simpleは、事前に定義された文字テンプレートと、実際に印字された文字を比較して、その品質や適合度を評価します。この検証により、印字された文字が視覚的に基準を満たしているかを確認でき、適切でない印字や欠陥を早期に検出することが可能です。

使用方法

do_ocv_simple関数の基本的な使用方法は以下の通りです。

do_ocv_simple(OCVHandle, Image, ROI, Result)

• OCVHandle
  OCVプロセスに使用するトレーニング済みのOCVモデルのハンドル。
• Image
  検証対象の文字が印字された入力画像。
• ROI
  文字検証を行う対象領域。
• Result
  検証結果を返す変数（適合度や評価）。

この関数は、指定された領域内の文字をテンプレートと比較し、適合度を計算してResult変数に返します。

具体例

以下に、do_ocv_simple関数を使用して文字の品質を検証する具体例を示します。

* 画像の読み込み
read_image(Image, 'label_image')

* 検証対象の文字領域を設定
gen_rectangle1(ROI, 100, 50, 200, 100)

* OCVモデルの読み込み
create_ocv('Standard_Font.ocv', OCVHandle)

* OCVの実行
do_ocv_simple(OCVHandle, Image, ROI, Result)

* 結果を表示
disp_message(WindowHandle, 'OCV Result: ' + Result, 'window', 12, 12, 'black', 'true')

この例では、label_imageに含まれる特定の領域（ROI）に対してdo_ocv_simple関数を使用し、印字された文字が基準に適合しているかを検証しています。結果はResultに保存され、ウィンドウに表示されます。

応用例

do_ocv_simpleは、次のようなシナリオで有効です。

• ラベル検査と印字品質管理
  製品ラベルやパッケージに印字された文字が、正確に表示されているかを検証し、不良品を自動的に検出します。

• OCR前の文字検証
  OCR処理の前に、印字された文字が基準に沿っているかを確認し、誤った認識を防ぎます。

• 印刷工程の品質管理
  印刷された製品の文字の形状や品質をリアルタイムで確認し、欠陥を検出します。

注意点

do_ocv_simpleを使用する際は、文字テンプレートが適切にトレーニングされていることが重要です。テンプレートの精度や、検証対象の文字とフォントの一致度によって、検証結果の精度が変わるため、使用するデータに合わせてテンプレートを最適化する必要があります。また、検証する領域を正確に設定することも、結果に影響を与えるため重要です。

まとめ

HALCONのdo_ocv_simple関数は、光学文字検証（OCV）を通じて印字された文字の品質や適合性を確認するための強力なツールです。製造業でのラベル検査やOCR前の検証プロセスで活用され、不良品の検出や印字品質の向上に貢献します。適切なテンプレートを使用することで、高い精度で文字検証を実現できます。