【HALCON】drag_region1 関数について - 矩形領域のインタラクティブな操作

HALCONのdrag_region1関数は、インタラクティブに矩形領域を操作するためのツールです。ユーザーはマウスを使って矩形の位置や大きさを自由に変更でき、リアルタイムで視覚的に確認しながら領域の定義が可能です。この関数は、画像処理でROI（関心領域）を動的に設定する際に便利です。

drag_region1 関数の概要

drag_region1は、ユーザーが指定した矩形領域（Row1, Column1, Row2, Column2の座標によって定義）をインタラクティブに操作し、マウス操作を使って領域を移動したり、サイズを変更したりすることができます。このプロセスにより、動的にROIを設定しながら視覚的なフィードバックを得ることができ、画像処理タスクの柔軟性が向上します。

使用方法

drag_region1関数の基本的な使用方法は以下の通りです。

drag_region1(WindowHandle, Row1, Column1, Row2, Column2, NewRow1, NewColumn1, NewRow2, NewColumn2)

• WindowHandle
  矩形領域を表示するウィンドウのハンドル。
• Row1, Column1
  操作する矩形領域の左上の座標。
• Row2, Column2
  操作する矩形領域の右下の座標。
• NewRow1, NewColumn1, NewRow2, NewColumn2
  ユーザーによって調整された新しい矩形領域の座標。

この関数は、マウス操作で領域をドラッグして動かしたり、サイズを変更することで、新しい領域の座標を取得します。

具体例

以下に、drag_region1関数を使用して矩形領域をインタラクティブに操作する具体例を示します。

* 初期領域の設定
Row1 := 100
Column1 := 100
Row2 := 200
Column2 := 200

* インタラクティブな領域操作
drag_region1(WindowHandle, Row1, Column1, Row2, Column2, NewRow1, NewColumn1, NewRow2, NewColumn2)

* 結果の表示
disp_rectangle1(WindowHandle, NewRow1, NewColumn1, NewRow2, NewColumn2)

この例では、最初に指定された矩形領域（Row1, Column1, Row2, Column2）をインタラクティブに操作し、変更された領域の新しい座標を取得し、その結果を表示しています。

応用例

drag_region1は、以下のようなシナリオで使用されます。

• ROIのインタラクティブな設定
  画像処理でユーザーが画像の関心領域を手動で選択し、動的に調整する際に便利です。特に、検査やトラッキングの初期設定で有用です。

• 画像解析や検査での手動調整
  機械学習やパターン認識の前処理として、ユーザーが調整可能な領域を柔軟に設定でき、正確な領域選択をサポートします。

• ユーザーインタラクションを伴うアプリケーション
  GUIアプリケーションや検査ツールで、ユーザーが画像を操作して領域を調整する場面で活用されます。

注意点

drag_region1を使用する際は、操作する領域が表示されているウィンドウに正しく設定されていることが重要です。また、領域の移動やサイズ変更の範囲は、ウィンドウ内に制限されるため、領域の座標がウィンドウ外に出ないように注意する必要があります。

まとめ

HALCONのdrag_region1関数は、インタラクティブに矩形領域を操作するための便利なツールです。ユーザーは視覚的なフィードバックを得ながら、領域の位置やサイズを自由に調整でき、画像処理の柔軟性が向上します。ROIの設定や画像解析での手動調整に最適なツールとして、多くのシナリオで活用可能です。