【HALCON】draw_ellipse_mod 関数について - 既存の楕円のインタラクティブな修正

HALCONのdraw_ellipse_mod関数は、既存の楕円形領域をインタラクティブに修正するためのツールです。ユーザーはマウス操作で楕円の中心座標、長軸・短軸の半径、および回転角を動的に変更でき、リアルタイムで修正結果を確認することが可能です。この関数は、画像処理タスクにおいて既存の楕円形のROI（関心領域）を再調整したり、検出したオブジェクトに合わせて楕円を修正する際に役立ちます。

draw_ellipse_mod 関数の概要

draw_ellipse_mod関数は、ユーザーが既存の楕円形領域をマウスを使ってインタラクティブに修正するための関数です。円や矩形に限らず、楕円形の領域も柔軟に操作することができ、修正後の新しい楕円の中心座標、回転角、および長軸・短軸の半径を取得します。この操作はリアルタイムで行われ、結果がすぐにフィードバックされます。

使用方法

draw_ellipse_mod関数の基本的な使用方法は以下の通りです。

draw_ellipse_mod(WindowHandle, Row, Column, Phi, Radius1, Radius2, NewRow, NewColumn, NewPhi, NewRadius1, NewRadius2)

• WindowHandle
  楕円を修正するウィンドウのハンドル。
• Row, Column
  既存の楕円の中心座標（行・列）。
• Phi
  既存の楕円の回転角（ラジアン）。
• Radius1
  既存の楕円の短軸半径。
• Radius2
  既存の楕円の長軸半径。
• NewRow, NewColumn
  修正後の楕円の新しい中心座標。
• NewPhi
  修正後の楕円の新しい回転角（ラジアン）。
• NewRadius1, NewRadius2
  修正後の楕円の新しい短軸および長軸半径。

この関数を使うことで、既存の楕円のサイズや位置をインタラクティブに修正し、修正後のパラメータ（中心座標、回転角、長軸・短軸半径）を取得できます。

具体例

以下に、draw_ellipse_mod関数を使用して既存の楕円をインタラクティブに修正する具体例を示します。

* 初期の楕円の設定
Row := 150
Column := 150
Phi := 0.0
Radius1 := 50
Radius2 := 100

* インタラクティブな楕円の修正
draw_ellipse_mod(WindowHandle, Row, Column, Phi, Radius1, Radius2, NewRow, NewColumn, NewPhi, NewRadius1, NewRadius2)

* 修正後の楕円を表示
disp_ellipse(WindowHandle, NewRow, NewColumn, NewPhi, NewRadius1, NewRadius2)

この例では、初期の楕円形領域（Row, Column, Phi, Radius1, Radius2）を設定し、draw_ellipse_modを使用してユーザーがインタラクティブに楕円のパラメータを修正しています。修正後の結果は、取得した新しい楕円のパラメータに基づいてウィンドウに表示されます。

応用例

draw_ellipse_modは、以下のようなシナリオで使用されます。

• 楕円形ROIの修正
  画像処理タスクで、既に定義された楕円形のROI（関心領域）を動的に修正し、正確な領域選択を行う際に便利です。

• オブジェクト検出後の領域調整
  検出されたオブジェクトの周囲に描画された楕円を手動で修正し、より正確な領域を設定する際に使用されます。

• ユーザーインタラクションを伴う領域調整
  GUIアプリケーションで、ユーザーが手動で楕円の位置やサイズを変更し、視覚的な調整を行う際に役立ちます。

注意点

draw_ellipse_modを使用する際には、楕円の修正範囲がウィンドウ内に収まるように設定する必要があります。また、操作によって変更された楕円の位置やサイズを適切に取得し、後続の画像処理タスクに使用するために正確な確認が求められます。

まとめ

HALCONのdraw_ellipse_mod関数は、既存の楕円形領域をインタラクティブに修正するための便利なツールです。ユーザーはマウス操作を通じて、楕円の中心座標、サイズ、回転角を自由に調整でき、画像処理タスクにおける柔軟な領域設定が可能です。ROI設定やオブジェクト検出後の修正が必要な場面で、効率的に活用できます。