【HALCON】edges_sub_pix 関数について - サブピクセル精度でのエッジ検出
2024-09-07
2024-09-07
HALCON
のedges_sub_pix
関数は、グレースケール画像に対してサブピクセル精度でエッジを検出するための強力なツールです。通常のエッジ検出ではピクセル単位での精度が限界ですが、サブピクセル精度を用いることで、エッジの位置をピクセルの1/10やそれ以上の精度で特定することが可能です。このため、工業検査や精密な画像解析など、高精度な処理が要求される場面で多く使用されます。
edges_sub_pix 関数の概要
edges_sub_pix
関数は、グレースケール画像を入力としてサブピクセルレベルでのエッジを検出します。この関数は、エッジ検出アルゴリズムやしきい値、スムージングパラメータを調整することで、さまざまな画像に対して柔軟に適用できます。
基本的な使用方法
edges_sub_pix
関数の基本的な構文は以下の通りです。
edges_sub_pix(Image, Edges, 'canny', Sigma, Low, High)
Image
エッジを検出する対象の入力グレースケール画像。Edges
検出されたサブピクセル精度でのエッジの出力。'canny'
使用するエッジ検出アルゴリズム(例としてcanny
を指定していますが、他のアルゴリズムも使用可能です)。Sigma
エッジ検出に使用するガウスフィルタのスムージングパラメータ。この値が高いとノイズ除去の効果が強くなり、低いと細かいエッジも検出できます。Low
/High
ヒステリシスしきい値。これにより、エッジの強度を調整し、重要なエッジのみを検出します。
具体例
次に、edges_sub_pix
関数を使用してエッジを検出する具体的な例を示します。
* 画像の読み込み
read_image(Image, 'test_image.png')
* サブピクセル精度でエッジを検出
edges_sub_pix(Image, Edges, 'canny', 1.2, 30, 70)
* エッジの表示
disp_obj(Edges, WindowHandle)
この例では、test_image.png
というグレースケール画像に対してcanny
アルゴリズムを使用し、スムージングパラメータとして1.2
を設定しています。また、ヒステリシスしきい値として30
と70
を指定し、ノイズの影響を抑えつつ、重要なエッジのみを検出しています。
応用例
edges_sub_pix
関数は、非常に高い精度が求められる画像処理において、様々な用途で使用されます。
-
工業製品の品質検査
製品の形状や部品の位置を正確に検出するためには、ピクセル単位以上の精度が必要です。この関数を使うことで、微小な欠陥やズレを精度高く検出することが可能です。 -
精密機器の部品検査
微細な部品の検査や計測において、サブピクセル精度のエッジ検出は非常に有効です。エッジ位置を高精度に特定することで、正確な寸法測定が行えます。 -
医療画像の解析
医療画像の解析では、組織や臓器の輪郭を正確に把握する必要があります。サブピクセル精度のエッジ検出は、特に血管や神経といった微細な構造の解析に適しています。
まとめ
HALCON
のedges_sub_pix
関数は、サブピクセル精度でエッジを検出するための優れたツールであり、工業検査や医療画像解析など、非常に高い精度が求められる分野で広く利用されています。ピクセル単位以上の精度でエッジを特定することで、画像処理の信頼性を向上させ、より正確な結果を得ることが可能です。