【HALCON】elliptic_axis_xld 関数について - XLDオブジェクトの楕円軸長計算

HALCONのelliptic_axis_xld関数は、XLD（Extended Line Description）オブジェクトの形状を楕円で近似し、その主軸および副軸の長さを計算するためのツールです。XLDオブジェクトは、画像内のエッジや輪郭を高精度で表現するデータ形式であり、この関数を使用することで、XLDオブジェクトの形状を定量的に解析し、物体の特徴を抽出することが可能になります。

elliptic_axis_xld 関数の概要

elliptic_axis_xld関数は、XLDオブジェクトを入力として、その形状を楕円で近似し、楕円の主軸（最も長い直径）および副軸（最も短い直径）の長さを計算します。この手法により、複雑な形状を簡潔に表現し、解析や分類に役立てることができます。

使用方法

基本的な使用方法は以下の通りです。

elliptic_axis_xld(XLD, Ra, Rb)

• XLD
  処理対象のXLDオブジェクト（画像内のエッジや輪郭を表すデータ）。
• Ra
  計算された楕円の主軸の長さが格納される変数。
• Rb
  計算された楕円の副軸の長さが格納される変数。

具体例

以下に、elliptic_axis_xld関数を使用してXLDオブジェクトの楕円軸長を計算する例を示します。

* 画像の読み込みとXLDオブジェクトの抽出
read_image(Image, 'example_image')
edges_sub_pix(Image, XLD, 'canny', 1, 20, 40)

* 楕円の軸長計算
elliptic_axis_xld(XLD, Ra, Rb)

* 結果の表示
disp_message(WindowHandle, 'Ra: ' + Ra + ', Rb: ' + Rb, 'window', 12, 12, 'black', 'true')

この例では、画像から抽出されたXLDオブジェクトに対して楕円の主軸長と副軸長を計算し、その結果を表示します。

応用例

elliptic_axis_xld関数は、以下のようなシナリオで特に有用です。

• 形状解析
  XLDオブジェクトで表現された形状を楕円として近似し、その形状を定量化して解析します。
• 物体分類
  楕円軸長を特徴量として利用し、物体の分類や認識を行います。
• 品質検査
  製品の輪郭やエッジの形状が規定の範囲内であるかを確認するために、楕円軸長を評価します。

まとめ

HALCONのelliptic_axis_xld関数は、XLDオブジェクトの形状を楕円として近似し、主軸および副軸の長さを計算するための強力なツールです。この関数を使用することで、XLDデータを効率的に解析し、物体の特徴を定量化することが可能になります。形状解析や物体分類、品質検査において、XLDオブジェクトを用いた精密な形状認識が必要な場面で非常に有効です。楕円の軸長を計算することで、複雑な形状を簡潔に表現でき、解析や評価を迅速に行えるため、産業用アプリケーションにも広く活用されています。