【HALCON】expand_region 関数について - バイナリ領域の拡張

HALCONのexpand_region関数は、バイナリ画像内の領域を指定された幅で拡張し、形状や物体の領域を広げるために使用されます。この関数は、ノイズ除去や隣接する領域を一つにまとめるために使われ、画像内の物体を強調したり、後続の処理を容易にするために役立ちます。特に、物体間のギャップを埋めたい場合や、小さなノイズを取り除きたい場合に有効です。

expand_region 関数の概要

expand_region関数は、バイナリ画像内の特定の領域を、指定されたピクセル数だけ拡張します。拡張された領域は、元の領域に隣接するピクセルが追加される形で広がり、物体のサイズが大きくなります。領域の拡張は、接触する隣接領域をマージするためや、物体の特徴を強調するために広く使用されます。

使用方法

expand_region関数の基本的な使用方法は以下の通りです。

expand_region(Region, ExpandedRegion, Width)

• Region
  拡張するバイナリ領域。
• ExpandedRegion
  拡張された領域が出力されます。
• Width
  拡張する幅（ピクセル単位）。この幅に基づいて領域が広がります。

この関数では、入力領域であるRegionが、指定されたWidthだけ拡張され、その結果がExpandedRegionとして出力されます。

具体例

以下に、expand_region関数を使用してバイナリ領域を拡張する具体例を示します。

* バイナリ画像の読み込みと領域の生成
read_image(Image, 'binary_image.png')
threshold(Image, Region, 128, 255)

* 領域の拡張（幅5ピクセルで拡張）
expand_region(Region, ExpandedRegion, 5)

* 結果の表示
disp_region(ExpandedRegion, WindowHandle)

この例では、binary_image.pngからしきい値処理によって領域Regionを生成し、その領域を5ピクセル拡張しています。拡張後の領域ExpandedRegionはウィンドウに表示されます。

応用例

expand_regionは、以下のようなシナリオで使用されます。

• 隣接する領域のマージ
  複数の領域が接近している場合、それらを拡張して接触させ、一つの大きな領域として扱います。

• ノイズ除去の前処理
  領域を拡張することで、小さなノイズや隙間を埋め、滑らかな領域を作り出します。

• 形状の特徴強調
  物体の形状を強調したり、解析しやすくするために領域を拡張し、細部を強調します。

注意点

expand_regionを使用する際には、拡張する幅に注意が必要です。過度に領域を拡張すると、隣接する他の領域と一緒になってしまうことがあるため、適切な幅を選択することが重要です。また、拡張の結果、元の形状が大きく変わる可能性があるため、解析目的に応じて調整が必要です。

まとめ

HALCONのexpand_region関数は、バイナリ画像内の領域を拡張し、物体や形状の特徴を強調するための有用なツールです。ノイズ除去や隣接領域のマージ、形状解析の精度向上に効果的であり、領域拡張を通じて、より精密な画像処理が可能になります。