【HALCON】fast_match 関数について - 高速なパターンマッチング

【HALCON】fast_match 関数について - 高速なパターンマッチング

2024-09-05

2024-09-05

HALCONfast_match関数は、高速で精度の高いパターンマッチングを実現するためのツールです。この関数は、画像内で特定のパターンやテンプレートを迅速に検出し、回転やスケーリングに対しても堅牢なマッチングを提供します。通常のマッチングアルゴリズムに比べ、より効率的に処理が行われるため、リアルタイムの処理や大量のデータを扱う場面で特に効果を発揮します。

fast_match 関数の概要

fast_match関数は、画像内の特定のパターンを高速に検出し、その位置や回転角度を特定するために使用されます。画像内のパターンが回転、スケール変更、または若干の変形があっても、正確に位置を検出できる堅牢なアルゴリズムを提供します。この高速マッチング手法は、製造業や品質管理など、リアルタイム性が求められる環境に最適です。

使用方法

fast_match関数の基本的な使用方法は以下の通りです。

fast_match(Image, Template, MinScore, Row, Column, Angle, Scale, Score)
  • Image
    マッチングを行う対象の画像。
  • Template
    検出したいテンプレート画像。
  • MinScore
    マッチングの最小スコア(0.0から1.0の範囲)。この値以上のスコアで一致したものが検出されます。
  • Row, Column
    マッチングしたパターンの中心座標が出力されます。
  • Angle
    マッチングしたパターンの回転角度が出力されます。
  • Scale
    パターンのスケール(拡大/縮小率)。
  • Score
    マッチングのスコア(テンプレートと一致する度合い)。

この関数では、Imageに対してTemplateをマッチングし、テンプレートが最も一致する場所の座標、回転角度、スケール、および一致度を出力します。

具体例

以下に、fast_match関数を使用して、画像内でテンプレートの位置を高速に検出する具体例を示します。

* 画像とテンプレートの読み込み
read_image(Image, 'input_image.png')
read_image(Template, 'template_image.png')

* 高速マッチングの実行(最小スコア0.8で検出)
fast_match(Image, Template, 0.8, Row, Column, Angle, Scale, Score)

* 結果の表示
disp_message(WindowHandle, 'Row: ' + Row + ', Column: ' + Column, 'window', 12, 12, 'black', 'true')
disp_message(WindowHandle, 'Angle: ' + Angle + ', Scale: ' + Scale, 'window', 12, 32, 'black', 'true')
disp_message(WindowHandle, 'Score: ' + Score, 'window', 12, 52, 'black', 'true')

この例では、input_image.pngからtemplate_image.pngが最も一致する場所を、最小スコア0.8以上で高速に検出しています。結果として、テンプレートが一致した座標(Row, Column)、回転角度(Angle)、スケール(Scale)、および一致度(Score)がウィンドウに表示されます。

応用例

fast_matchは、以下のようなシナリオで使用されます。

  • 製造業での品質検査
    製品の位置や向きを正確に検出し、検査や組立の際に利用されます。

  • パターン認識
    画像内のパターンや形状を素早く検出し、分類や識別に役立てます。

  • ロボットビジョン
    物体の正確な位置や回転を特定し、ロボットのピッキング作業や位置決めに利用されます。

注意点

fast_matchを使用する際には、テンプレート画像が鮮明であることが重要です。また、最小スコアを適切に設定することで、マッチングの精度を調整できます。スコアが低すぎると、誤検出が増える可能性があるため、試行錯誤しながら最適なスコアを設定することが推奨されます。

まとめ

HALCONfast_match関数は、高速で堅牢なパターンマッチングを実現する強力なツールです。リアルタイム性が求められる製造業やロボットビジョン、パターン認識など、さまざまな応用分野で利用されています。精度と速度のバランスが取れたこの関数を活用することで、画像処理の効率を大幅に向上させることができます。

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