【HALCON】fft_image 関数について - 画像の高速フーリエ変換

HALCONのfft_image関数は、画像の高速フーリエ変換（FFT）を行うためのツールです。フーリエ変換は、画像の空間領域を周波数領域に変換し、フィルタリングやノイズ除去などの画像処理に役立ちます。fft_image関数を使うことで、画像データを周波数成分に分解し、空間領域では難しい処理を周波数領域で効率的に行うことができます。

fft_image 関数の概要

fft_image関数は、画像に対して2次元の高速フーリエ変換を実行します。この変換により、空間領域（ピクセル値）で表現された画像を周波数領域に変換し、低周波成分や高周波成分を別々に処理できます。フーリエ変換の結果は複素数のスペクトルとして表され、フィルタリングやノイズ除去、パターン認識などの画像処理タスクに応用されます。

使用方法

fft_image関数の基本的な使用方法は以下の通りです。

fft_image(Image, FourierImage)

• Image
  フーリエ変換を行う対象の入力画像。
• FourierImage
  フーリエ変換後の複素数形式の画像（スペクトル）。

この関数は、入力画像に対してフーリエ変換を実行し、その結果をFourierImageに出力します。

具体例

以下に、fft_image関数を使用して、画像にフーリエ変換を適用し、スペクトルを表示する具体例を示します。

* 画像の読み込み
read_image(Image, 'input_image.png')

* 高速フーリエ変換の実行
fft_image(Image, FourierImage)

* フーリエ変換後のスペクトルの表示
disp_image(FourierImage, WindowHandle)

この例では、input_image.pngに対してフーリエ変換を実行し、その結果であるスペクトル画像をFourierImageに格納しています。フーリエ変換後のスペクトルはウィンドウに表示されます。

応用例

fft_imageは、以下のようなシナリオで使用されます。

• ノイズ除去
  周波数領域で不要な高周波成分や低周波成分をフィルタリングし、ノイズを除去します。

• エッジ強調
  画像のエッジや特徴的な部分を強調するために、特定の周波数成分を操作します。

• 画像の特徴抽出
  画像の特徴を周波数成分として抽出し、パターン認識や解析に利用します。

• 画像圧縮
  冗長な周波数成分を除去し、効率的な画像圧縮を実現します。

注意点

fft_image関数を使用する際には、フーリエ変換の結果が複素数となるため、実数と虚数部分を別々に扱う必要があります。また、画像サイズが2のべき乗であると処理が最適化されるため、サイズが異なる場合は適切なパディングを行うことが推奨されます。

まとめ

HALCONのfft_image関数は、画像のフーリエ変換を高速に実行し、周波数成分を利用したフィルタリングやノイズ除去に役立つ強力なツールです。周波数領域での処理を行うことで、空間領域では難しい画像解析やノイズ低減、特徴抽出が可能となります。