【HALCON】find_aniso_shape_models 関数について - 複数の異方性形状モデルの検出

HALCONのfind_aniso_shape_models関数は、複数の異方性形状モデルに基づいて画像内でオブジェクトを同時に検出するためのツールです。異方性形状モデルは、スケールや方向が異なるオブジェクトを検出するのに特化しており、複数のオブジェクトを効率よく解析する際に非常に役立ちます。これにより、製造ラインやロボットビジョンなど、動的な環境での高精度な検出が可能となります。

find_aniso_shape_models 関数の概要

find_aniso_shape_models関数は、事前に作成された異方性形状モデルに基づいて、画像内の複数のオブジェクトを同時に検出します。この関数は、スケールや方向の異なる複数のオブジェクトに対応しており、一度に複数の形状を検出できるため、効率的な画像処理が可能です。

使用方法

基本的な構文は次の通りです。

find_aniso_shape_models(Image, ModelID, MinScore, ScaleMin, ScaleMax, AngleStart, AngleExtent, NumMatches, Result)

• Image
  検索対象の画像。
• ModelID
  使用する異方性形状モデルのID。
• MinScore
  検出の際の最小スコア（信頼度）。
• ScaleMin
  検出するオブジェクトの最小スケール。
• ScaleMax
  検出するオブジェクトの最大スケール。
• AngleStart
  検出範囲の開始角度。
• AngleExtent
  検出範囲の角度の広さ。
• NumMatches
  見つかったオブジェクトの最大数。
• Result
  検出結果が格納される変数。

具体例

以下に、find_aniso_shape_models関数を使用して複数の異方性形状モデルを同時に検出する例を示します。

* 形状モデルを作成（別途行う）
create_aniso_shape_model(TemplateImage, ..., ModelID)

* 対象画像を読み込む
read_image(Image, 'test_image.png')

* 複数オブジェクトの検出
find_aniso_shape_models(Image, ModelID, 0.6, 0.7, 1.3, -rad(30), rad(60), 10, Result)

* 検出結果を表示
disp_message(WindowHandle, 'Objects found: ' + Result, 'window', 12, 12, 'black', 'true')

この例では、スケールが0.7倍から1.3倍、回転角度が-30度から+30度の範囲で変形した複数のオブジェクトを同時に検出しています。

応用例

find_aniso_shape_models関数は、以下のような応用シナリオで特に有用です。

• 大量の部品検出
  製造ラインで異なるスケールや方向にある多数の部品を同時に検出する。
• 複数の対象物認識
  複数のオブジェクトが一度に登場する場面で、効率的にそれらを検出し位置を特定。
• ロボットビジョンシステム
  複数の物体を同時に検出し、作業の効率を高める。

まとめ

HALCONのfind_aniso_shape_models関数は、複数のスケールや角度で変形したオブジェクトを同時に検出できる強力なツールです。製造業やロボットビジョンなど、複数の対象物が一度に登場する場面で、この関数を利用することで、検出の効率性と精度を大幅に向上させることができます。