【HALCON】fit_primitives_object_model_3d 関数について - 3Dオブジェクトモデルへの基本形状フィッティング
2024-09-06
2024-09-06
HALCON
のfit_primitives_object_model_3d
関数は、3Dオブジェクトモデルに対して基本的な幾何学的形状をフィッティングするためのツールです。この関数を使用することで、平面、球、円柱などの形状を3Dデータから抽出し、物体の構造や特性を解析できます。特に、製造業やロボット工学において、3Dスキャンデータの解析に効果的です。
fit_primitives_object_model_3d 関数の概要
fit_primitives_object_model_3d
関数は、3Dオブジェクトモデル内の点群データに対して、特定の幾何学的形状(平面、球、円柱、円錐、トーラスなど)をフィッティングします。これにより、3Dスキャンデータから物体の形状を抽出し、位置やサイズ、傾斜などの情報を取得できます。
使用方法
基本的な構文は次の通りです。
fit_primitives_object_model_3d(ObjectModel3D, PrimitiveType, FittingParams, GenParamNames, GenParamValues, PrimitiveData)
ObjectModel3D
フィッティング対象の3Dオブジェクトモデル(点群データ)。PrimitiveType
フィッティングする基本形状の種類(例:‘plane’, ‘sphere’, ‘cylinder’, ‘cone’, ‘torus’)。FittingParams
フィッティングの精度や許容範囲を指定するパラメータ。GenParamNames
,GenParamValues
追加の一般パラメータ(オプションで設定可能)。PrimitiveData
フィッティングされた形状の結果が格納される変数(形状に応じて、位置、半径、方向などが含まれます)。
具体例
以下に、fit_primitives_object_model_3d
関数を使用して3Dオブジェクトモデルに平面フィッティングを行う例を示します。
* 3Dオブジェクトモデルを読み込む
read_object_model_3d(ObjectModel3D, '3d_scan_data.om3')
* 3Dデータに対して平面フィッティングを実行
fit_primitives_object_model_3d(ObjectModel3D, 'plane', [0.1], [], [], PrimitiveData)
* フィッティング結果を表示
disp_message(WindowHandle, 'Fitted plane parameters: ' + PrimitiveData, 'window', 12, 12, 'black', 'true')
この例では、3Dスキャンデータから平面をフィッティングし、そのパラメータ(例えば、平面の位置や傾斜)を取得しています。
応用例
fit_primitives_object_model_3d
関数は、次のようなシナリオで特に有用です。
- 製造業での品質管理
3Dスキャンデータから製品の形状を抽出し、設計図との一致度を確認することで品質管理に役立ちます。 - ロボットビジョン
ロボットが物体を正確に把握し、操作を行うために3Dオブジェクトの形状を解析します。 - 逆エンジニアリング
実際の物体から3Dモデルを生成し、形状解析を行う際に使用されます。
まとめ
HALCONのfit_primitives_object_model_3d
関数は、3Dオブジェクトモデルに対して基本的な形状フィッティングを行うための強力なツールです。この関数を使用することで、複雑な3Dデータから幾何学的な形状を抽出し、正確な位置やサイズを把握することが可能です。製造業やロボット工学、逆エンジニアリングなどの分野で広く応用されています。