【HALCON】fit_surface_first_order 関数について - 一次平面のフィッティング
2024-09-07
2024-09-07
HALCON
のfit_surface_first_order
関数は、3Dポイントクラウドや3Dオブジェクトのデータに対して一次平面(平坦な面)をフィッティングするためのツールです。この関数を使用することで、複雑な3Dデータから平面を検出し、解析を行うことが可能です。工業製品の表面解析や測定データの整理に広く活用されています。
fit_surface_first_order 関数の概要
fit_surface_first_order
関数は、入力された3Dポイントクラウドデータに対して、最も適合する一次平面(線形平面)をサブピクセル精度でフィッティングします。この平面は、測定データの一部を単純化し、物体の表面や形状を解析するために役立ちます。一次平面は、平面の法線ベクトルや平面上の任意の点を基に算出されます。
基本的な使用方法
fit_surface_first_order
関数の基本的な構文は以下の通りです。
fit_surface_first_order(Points, 'regression', 'z', 0, 3, RowPlane, ColPlane, ZPlane, Nx, Ny, Nz, Dist)
Points
3Dポイントクラウドデータや3Dオブジェクト。'regression'
フィッティング方法(例として回帰分析法を使用しています)。'z'
フィッティングする平面の基準軸(この例ではZ軸を指定しています)。0
特定の制約を設けない場合は0
を指定。3
最大繰り返し回数。RowPlane
/ColPlane
/ZPlane
平面上の点の座標。Nx
/Ny
/Nz
平面の法線ベクトルの成分(X軸、Y軸、Z軸方向)。Dist
フィッティングされた平面と各ポイント間の距離。
具体例
以下に、fit_surface_first_order
関数を使用して3Dポイントクラウドに一次平面をフィッティングする具体例を示します。
* 3Dポイントクラウドの読み込み
read_object_model_3d(Model3D, 'example_3d_model.om3')
* 3Dポイントクラウドに対して一次平面をフィッティング
fit_surface_first_order(Model3D, 'regression', 'z', 0, 3, RowPlane, ColPlane, ZPlane, Nx, Ny, Nz, Dist)
* フィッティング結果の表示
disp_message(WindowHandle, 'Plane Position: (' + RowPlane + ', ' + ColPlane + ', ' + ZPlane + ')', 'window', 12, 12, 'black', 'true')
disp_message(WindowHandle, 'Normal Vector: (' + Nx + ', ' + Ny + ', ' + Nz + ')', 'window', 30, 12, 'black', 'true')
この例では、3Dポイントクラウドのデータから一次平面をフィッティングしています。結果として、フィッティングされた平面の位置と法線ベクトルが計算され、それらが画面に表示されます。
応用例
fit_surface_first_order
関数は、3Dデータから平面を検出するため、様々な場面で使用されます。
-
工業製品の表面解析
部品や製品の表面が平坦かどうかを確認する際に、この関数を使用して表面の平面性を解析します。特に、製品の精度検査や品質管理に役立ちます。 -
3Dスキャンデータの単純化
複雑な3Dスキャンデータから平面部分を抽出し、データを単純化するために使用されます。これにより、データの後処理や解析が効率的になります。 -
ロボットビジョンや位置決め
ロボットが物体を正確に把握し、操作するために、物体の平面部分を検出してその位置や角度をフィッティングすることが可能です。
まとめ
HALCON
のfit_surface_first_order
関数は、3Dポイントクラウドデータや3Dオブジェクトに対して一次平面をフィッティングするための強力なツールです。工業製品の表面検査や3Dデータの単純化など、精度の高い平面検出が求められる場面で特に有効です。フィッティング結果として得られる平面の位置や法線ベクトルは、物体の形状解析や寸法測定において重要な情報となります。