【HALCON】fitting 関数について - さまざまなフィッティングアルゴリズムの概要

HALCONのfitting関数群は、画像や3Dデータから幾何学的形状（直線、円、楕円、平面、曲面など）をフィッティングするためのツールです。これらのアルゴリズムを使用することで、物体の形状を解析し、寸法を測定したり、異常を検出したりすることができます。製造業やロボット工学、品質管理などで広く活用されています。

fitting 関数の概要

HALCONは、2Dおよび3Dデータに対してさまざまなフィッティングアルゴリズムを提供しています。これにより、物体の形状を高精度に解析し、検出した輪郭や点群データに対して、直線、円、楕円、平面、曲面などをフィッティングすることが可能です。

主なフィッティングアルゴリズム

HALCONが提供する主なフィッティングアルゴリズムには以下のものがあります。

• 直線フィッティング
  XLD輪郭や点群に対して直線をフィッティングします。関数例: fit_line_contour_xld

• 円・円弧フィッティング
  円形または円弧に近い形状のオブジェクトにフィッティングします。関数例: fit_circle_contour_xld

• 楕円フィッティング
  楕円形状を持つ物体にフィッティングします。関数例: fit_ellipse_contour_xld

• 回転長方形フィッティング
  長方形の輪郭に対して、回転に対応した長方形をフィッティングします。関数例: fit_rectangle2_contour_xld

• 1次平面フィッティング
  3Dデータに対して1次平面をフィッティングします。関数例: fit_surface_first_order

• 2次曲面フィッティング
  放物面や双曲面などの2次曲面を3Dデータにフィッティングします。関数例: fit_surface_second_order

使用方法の例

以下は、fit_line_contour_xldを使用して直線をフィッティングする基本的な例です。

* 画像を読み込み、輪郭を抽出
read_image(Image, 'example_image.png')
edges_sub_pix(Image, Edges, 'canny', 1, 20, 40)

* 抽出された輪郭に対して直線フィッティングを実行
fit_line_contour_xld(Edges, 'tukey', 100, 2.0, RowBegin, ColBegin, RowEnd, ColEnd, Nr, Nc, Dist)

* フィッティング結果を表示
disp_message(WindowHandle, 'Line from (' + RowBegin + ',' + ColBegin + ') to (' + RowEnd + ',' + ColEnd + ')', 'window', 12, 12, 'black', 'true')

具体的な応用

fitting関数群は、さまざまな応用シナリオで利用されています。

• 製造ラインでの寸法検査
  製品の寸法や形状が正しいかを確認し、規定範囲内に収まっているかを検査します。

• 3Dスキャンデータの解析
  スキャンデータに基づいて平面や曲面をフィッティングし、形状の特性を解析します。

• ロボットによる物体認識
  ロボットが正確に物体を検出・操作するために、対象の形状をフィッティングして認識します。

まとめ

HALCONのfitting関数群は、2Dおよび3Dデータから幾何学的形状を高精度にフィッティングするためのツールです。製造業や品質管理、ロボットビジョンなど、さまざまな産業分野で利用されており、複雑な形状解析や寸法測定を効率的に行うことができます。