【HALCON】gen_cooc_matrix 関数について - 共起行列の生成
2024-09-04
2024-09-04
HALCON
のgen_cooc_matrix
関数は、画像のテクスチャ解析に使用される共起行列を生成するためのツールです。共起行列は、画像内のピクセルのグレーレベルが特定の空間的関係においてどのように分布しているかを定量化するもので、テクスチャの特徴を抽出するために重要な役割を果たします。この関数を使用することで、画像の構造やパターンを解析し、様々な画像処理タスクに活用することができます。
gen_cooc_matrix 関数の概要
gen_cooc_matrix
関数は、入力画像から共起行列を生成します。共起行列は、画像内の異なるグレーレベルのピクセルが特定の空間的関係で出現する頻度を表す行列で、テクスチャの特徴を抽出するために使用されます。例えば、画像の粗さや平滑さ、規則性などのテクスチャ特性を解析するのに役立ちます。
使用方法
gen_cooc_matrix
関数の基本的な使用方法は以下の通りです。
gen_cooc_matrix(Image, CoocMatrix, NumGrayLevels, Direction, Distance)
Image
入力画像。共起行列を生成する対象の画像です。CoocMatrix
生成された共起行列が格納される変数。NumGrayLevels
使用するグレーレベルの数。画像のグレースケール値をこの数に量子化します。Direction
共起行列を生成する方向を指定します(例:'0'
,'45'
,'90'
,'135'
など)。これにより、ピクセル間の空間的関係の方向が決定されます。Distance
ピクセル間の距離を指定します。
具体例
以下に、gen_cooc_matrix
関数を使用して共起行列を生成する例を示します。
* 画像の読み込み
read_image(Image, 'sample_image')
* グレーレベルの量子化
NumGrayLevels := 16
* 共起行列を生成
gen_cooc_matrix(Image, CoocMatrix, NumGrayLevels, '0', 1)
* 共起行列の表示(例として行列の一部を表示)
disp_matrix(CoocMatrix)
この例では、入力画像から0度の方向に沿ったピクセル間の共起行列を生成しています。グレーレベルを16階調に量子化し、距離1の隣接ピクセル間の関係を解析します。
応用例
gen_cooc_matrix
関数は、以下のようなシナリオで特に有用です。
- 医療画像解析
テクスチャの特徴を抽出し、組織や病変のパターンを解析。 - リモートセンシング
衛星画像のテクスチャ解析により、地表の異なる領域を特徴付け、分類に利用。 - 品質検査
工業製品の表面テクスチャを解析し、表面の状態を評価。
まとめ
HALCON
のgen_cooc_matrix
関数は、画像のテクスチャ解析に不可欠な共起行列を生成するための便利なツールです。この関数を使用することで、画像内のグレーレベル間の空間的関係を定量化し、高度なテクスチャ解析を行うことができます。医療、工業、リモートセンシングなど、幅広い分野での画像処理タスクに応用できます。