【HALCON】gen_projective_mosaic 関数について - 射影モザイク画像の生成
2024-09-05
2024-09-05
HALCON
のgen_projective_mosaic
関数は、複数の画像を射影変換に基づいて合成し、シームレスなモザイク画像を生成するためのツールです。複数の画像が異なる視点で撮影されていても、この関数を使用することで画像間の対応点を射影変換を使って統合し、一枚の大きなモザイク画像を作成することができます。風景写真や監視カメラ映像の統合など、幅広い応用が可能です。
gen_projective_mosaic 関数の概要
gen_projective_mosaic
関数は、射影変換に基づいて複数の画像を統合し、1枚のモザイク画像を生成します。この関数では、複数の画像間で共通の対応点や射影行列を使用して、それぞれの画像を正確に位置合わせし、シームレスな合成を行います。射影変換を使用することで、画像が異なる角度や視点で撮影されていたとしても、精密な統合が可能です。
使用方法
gen_projective_mosaic
関数の基本的な使用方法は以下の通りです。
gen_projective_mosaic(ImageFiles, MosaicImage, MosaicingMatrices, Overlap, Background)
ImageFiles
合成する複数の画像ファイル(リスト形式で指定します)。MosaicImage
出力されるモザイク画像。MosaicingMatrices
各画像の射影変換行列を指定します。Overlap
重なりの処理方法を指定します(例:“average”は重なった部分を平均化して合成)。Background
背景ピクセル値(通常は0
が使われます)。
この関数では、指定された複数の画像を射影変換行列に基づいて位置合わせし、一枚のモザイク画像に統合します。重なった部分の処理や背景色も指定可能です。
具体例
以下に、gen_projective_mosaic
関数を使用して、複数の画像を合成しモザイク画像を生成する具体例を示します。
* 複数の画像ファイルのリストを作成
ImageFiles := ['image1.png', 'image2.png', 'image3.png']
* 射影変換行列の定義
MosaicingMatrices := [Matrix1, Matrix2, Matrix3]
* モザイク画像の生成
gen_projective_mosaic(ImageFiles, MosaicImage, MosaicingMatrices, 'average', 0)
* 結果の表示
disp_image(MosaicImage, WindowHandle)
この例では、image1.png
、image2.png
、image3.png
の3つの画像を、各画像に対応する射影変換行列Matrix1
、Matrix2
、Matrix3
に基づいて合成し、一枚のモザイク画像を生成しています。重なった部分は”average”(平均化)して処理し、背景ピクセルは0
(黒)で埋められています。最終的なモザイク画像はウィンドウに表示されます。
応用例
gen_projective_mosaic
は、以下のようなシナリオで使用されます。
-
パノラマ合成
風景写真や観光地の全景を複数の写真から合成し、広範囲のパノラマ画像を作成します。 -
監視映像の統合
複数の監視カメラから得た映像を統合し、広いエリアをカバーする映像を一つにまとめます。 -
マルチビュー画像合成
物体の異なる角度から撮影された画像を合成し、3次元的な視点を一枚の画像に統合します。
注意点
gen_projective_mosaic
を使用する際には、画像間の射影行列を正確に計算することが重要です。射影行列が適切に定義されていないと、画像が正しく位置合わせされず、シームレスなモザイク画像が生成されません。また、画像が重なる部分の処理方法(例えば”average”など)を選択することで、合成結果の品質が大きく変わることがあります。
まとめ
HALCON
のgen_projective_mosaic
関数は、複数の画像を射影変換に基づいてシームレスに統合し、一枚のモザイク画像を生成するための強力なツールです。パノラマ画像の作成や、複数のカメラ映像の統合など、幅広い画像処理タスクに応用でき、精密な位置合わせと高品質な合成が可能です。