【HALCON】grab_image_start関数ガイド - 画像取得の非同期処理

【HALCON】grab_image_start関数ガイド - 画像取得の非同期処理

2024-09-11

2024-09-11

HALCONgrab_image_start関数は、非同期で画像を取得するために使用されます。リアルタイム処理や並行処理を行う際に、この関数を利用することで、画像取得が他の処理の邪魔をせず、全体の効率を高めることができます。この記事では、grab_image_startの基本的な使い方と、その応用について解説します。

grab_image_start関数の概要

grab_image_start関数は、画像取得プロセスを非同期で開始するための関数です。通常のgrab_imageは同期的に動作し、画像を取得するまで処理が停止しますが、grab_image_startを使用すると、画像取得がバックグラウンドで実行され、他のタスクを並行して行うことが可能になります。

基本構文

grab_image_start(AcqHandle)
  • AcqHandle: 画像取得に使用するフレームグラバーハンドル。open_framegrabber関数で作成されたハンドルを指定します。

この関数は、画像取得をバックグラウンドで開始し、すぐに次の処理へ進みます。取得した画像は、後でgrab_image_async関数を使用して取り出します。

非同期画像取得の流れ

  • フレームグラバーの初期化
    非同期で画像を取得する前に、通常通りopen_framegrabber関数を使用してカメラやデバイスの初期設定を行います。

    open_framegrabber('GigEVision', 0, 0, 0, 0, 0, 0, 'default', -1, 'default', -1, 'false', 'default', 'default', 0, -1, AcqHandle)
    
  • 非同期画像取得の開始
    grab_image_startを呼び出して、画像取得プロセスを非同期で開始します。

    grab_image_start(AcqHandle)
    

    これにより、画像取得がバックグラウンドで実行され、他の処理が同時に進行できます。

  • 画像の取得(非同期完了後)
    画像取得が完了したら、grab_image_async関数を使用して、取得した画像をメモリに格納します。

    grab_image_async(Image, AcqHandle, -1)
    

    -1は無限待機を意味し、画像が取得されるまで待機します。

  • フレームグラバーの終了
    画像取得が完了した後、システムリソースを解放するためにclose_framegrabberでフレームグラバーを閉じます。

    close_framegrabber(AcqHandle)
    

使用例

以下は、grab_image_startを使った非同期画像取得のシンプルな例です。

* カメラの初期化
open_framegrabber('GigEVision', 0, 0, 0, 0, 0, 0, 'default', -1, 'default', -1, 'false', 'default', 'default', 0, -1, AcqHandle)

* 非同期で画像取得の開始
grab_image_start(AcqHandle)

* 他の処理を並行して実行
*: データの計算やUI更新など
do_something_else()

* 非同期で取得した画像の取得
grab_image_async(Image, AcqHandle, -1)

* 画像の表示
disp_image(Image, WindowID)

* フレームグラバーの終了
close_framegrabber(AcqHandle)

この例では、grab_image_startを呼び出した後、do_something_elseで別の処理を行いながら画像取得を並行して実行しています。grab_image_asyncで取得完了後の画像を取り出し、処理結果を表示しています。

grab_image_startを使うメリット

システム効率の向上

grab_image_startの大きなメリットは、非同期で画像取得を行える点です。これにより、画像が取得されるまで待機することなく、他の重要なタスクを同時に実行できます。例えば、リアルタイムの画像処理アプリケーションでは、画像取得と同時に画像処理、データ保存、結果の表示などを行うことができ、システム全体の処理効率が大幅に向上します。

リアルタイムアプリケーションでの応用

特にリアルタイム性が求められるアプリケーション(例えば、工場の検査システムやロボット制御システム)では、非同期画像取得を活用することで、各フレームごとの処理をスムーズに行うことが可能です。画像取得が他の処理と競合せず、全体的な処理速度が向上します。

まとめ

HALCONgrab_image_start関数は、非同期で画像を取得するための強力なツールです。この関数を使用することで、画像取得と他のタスクを同時に行い、システムのパフォーマンスを最適化することができます。リアルタイム処理や並列処理を必要とする場面では特に有用です。grab_image_startgrab_image_asyncを組み合わせることで、より柔軟かつ効率的な画像処理システムを構築できるでしょう。

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