【HALCON】gray_closing 関数について - グレースケール画像のクロージング処理

HALCONのgray_closing関数は、グレースケール画像に対してモルフォロジー的なクロージング処理を実行するための関数です。クロージング処理は、画像内の小さな暗い領域を除去し、全体を平滑化する効果があります。特に、画像内のノイズを除去し、ギャップを埋める際に有効な手法です。

gray_closing 関数の概要

gray_closingは、グレースケール画像に対してモルフォロジー処理の一種であるクロージング（膨張と収縮の組み合わせ）を行います。この処理により、画像内の暗い小さな領域が除去され、全体が滑らかになります。ノイズ除去や、細かいギャップや凹みを埋めるために使われます。

基本的な使用方法

以下は、gray_closing関数の基本的な構文です。

gray_closing(Image, ClosedImage, StructElement)

• Image:
  入力となるグレースケール画像。

• ClosedImage:
  処理結果が格納される画像。この画像にはクロージング処理が適用された結果が入ります。

• StructElement:
  構造要素（カーネル）を指定します。この要素のサイズや形状に基づいて、クロージング処理が行われます。

この関数を使うことで、画像内の細かい暗部が埋められ、滑らかになった画像を得ることができます。

具体例

以下に、gray_closingを使用して画像にクロージング処理を適用する例を示します。

* 画像の読み込み
read_image(Image, 'example_image')

* 構造要素の生成
gen_circle(StructElement, 5)

* グレースケールクロージングの実行
gray_closing(Image, ClosedImage, StructElement)

* 結果の表示
disp_image(ClosedImage, WindowHandle)

この例では、まず画像を読み込み、gen_circleで半径5ピクセルの円形構造要素を生成しています。その後、gray_closingを使用してクロージング処理を行い、結果を表示しています。

応用例

gray_closingは、以下のような場面で特に役立ちます。

• ノイズ除去
  画像内の小さな暗いノイズを除去し、全体的に滑らかな画像を得るために使用されます。

• ギャップの埋め
  画像中の細かいギャップや凹みをクロージングによって埋めることで、より一貫した形状やパターンを得られます。

• 前処理
  後続の画像解析やオブジェクト認識の前に、画像の平滑化処理を行う際に有効です。

まとめ

HALCONのgray_closing関数は、グレースケール画像に対してクロージング処理を行い、ノイズ除去やギャップの埋めを実現するための重要なツールです。この関数を使用することで、画像を滑らかにし、解析しやすい状態にすることができます。特に、画像内の暗い領域や細かいギャップを除去する必要がある場合に効果的です。