【HALCON】gray_erosion_shape関数ガイド - グレースケールの形状エロージョン処理

HALCONのgray_erosion_shape関数は、グレースケール画像に対して形状エロージョン処理を適用するための関数です。エロージョン処理は、画像の明るい領域を縮小し、形状を強調したり、特定の形状に基づいてノイズを除去するために使用されます。エロージョンは、収縮（侵食）操作とも呼ばれ、特定の構造要素に基づいて画像の形状を変化させます。

gray_erosion_shape関数の概要

gray_erosion_shape関数は、グレースケール画像に対してエロージョン操作を行い、明るい領域を縮小することで形状のエッジを強調します。この処理は、画像内の特定の形状を強調するためや、ノイズ除去の一環として行われます。特定の形状の構造要素を使用できるため、目的に応じたカスタマイズが可能です。

基本構文

gray_erosion_shape(Image, ImageEroded, Width, Height, Shape)

• Image
  入力となるグレースケール画像。
• ImageEroded
  エロージョン処理後の出力画像。
• Width
  構造要素の幅（x方向のピクセル数）。
• Height
  構造要素の高さ（y方向のピクセル数）。
• Shape
  使用する構造要素の形状。‘rectangle’（矩形）、‘ellipse’（楕円）、‘diamond’（菱形）などから選択します。

使用可能な形状

gray_erosion_shape関数では、以下の形状を構造要素として指定できます。

• 'rectangle'
  矩形の構造要素を使用し、エッジが直線的な物体に対する基本的な処理に適しています。
• 'ellipse'
  楕円形の構造要素を使用し、曲線を含む形状の平滑化や強調に効果的です。
• 'diamond'
  菱形の構造要素を使用し、点対称の形状を強調したい場合に有効です。

使用例

以下に、gray_erosion_shape関数を使用してグレースケール画像を矩形構造要素でエロージョン処理する例を示します。

* 入力画像の読み込み
read_image(Image, 'example_image')

* 矩形形状を使用したエロージョン処理
gray_erosion_shape(Image, ImageEroded, 10, 5, 'rectangle')

* 処理結果の表示
dev_open_window(0, 0, 512, 512, 'black', WindowID)
disp_image(ImageEroded, WindowID)

この例では、幅10ピクセル、高さ5ピクセルの矩形構造要素を使ってエロージョン処理を行い、画像の明るい領域を縮小して形状を強調しています。

実際の応用

ノイズ除去

gray_erosion_shapeは、画像内の明るい部分に対するノイズ除去や細かい構造を抑えるのに効果的です。特定の形状に基づいてノイズを取り除くことができるため、さまざまな画像処理アプリケーションにおいて有用です。

形状の強調

エロージョン処理により、画像内の物体の明るい領域が縮小され、物体のエッジがより明瞭になります。これにより、後続の画像処理アルゴリズム（例えばエッジ検出や形状認識）の精度が向上します。

カスタマイズされたフィルタリング

gray_erosion_shape関数を使用することで、処理対象に最適な形状のフィルタを作成できます。特定の形状に基づいたエロージョン処理は、製造ラインの検査システムや医療画像解析など、特殊な条件を持つ画像処理に対応することが可能です。

gray_erosion_shapeの応用例

次の例では、楕円形の構造要素を使用して、画像内の曲線的な形状をエロージョンで縮小します。

* 入力画像の読み込み
read_image(Image, 'example_image')

* 楕円形の構造要素を使用したエロージョン処理
gray_erosion_shape(Image, ImageEroded, 15, 15, 'ellipse')

* 処理結果の表示
disp_image(ImageEroded, WindowID)

この例では、楕円形の構造要素を使って画像のエロージョン処理を行い、曲線的な形状の輪郭を明瞭にしています。

まとめ

HALCONのgray_erosion_shape関数は、グレースケール画像に対して形状エロージョン処理を行うための強力なツールです。ノイズ除去や形状の強調など、幅広い応用が可能であり、特定の形状に基づいた処理を行うことで、様々な画像処理システムに適応できます。目的に応じて最適な形状やサイズの構造要素を選択することで、処理の精度や効率が大幅に向上します。