【HALCON】hamming_distance_norm関数ガイド - 正規化されたハミング距離の計算
2024-09-11
2024-09-11
HALCON
のhamming_distance_norm
関数は、2つのバイナリ領域間の正規化されたハミング距離を計算するための関数です。この関数は、画像中の領域がどれだけ類似しているか、または異なるかを定量的に評価し、0から1の範囲でその違いを示します。ハミング距離を正規化することで、領域間の比較をより分かりやすくし、結果を評価しやすくなります。
hamming_distance_norm関数の概要
hamming_distance_norm
関数は、2つのバイナリ画像領域を比較し、対応するピクセル間の違いを計算します。このハミング距離は、領域全体のサイズに対して正規化され、0から1の範囲で表されます。0は2つの領域が完全に一致していることを示し、1は全く一致しないことを示します。
基本構文
hamming_distance_norm(Region1, Region2, Distance)
Region1
比較する最初のバイナリ領域。Region2
比較する2番目のバイナリ領域。Distance
正規化されたハミング距離(0から1の範囲で出力)。
この関数は、2つの領域間のピクセル単位での違いを計算し、それを全体のピクセル数に対して正規化した値を返します。結果として得られるDistance
は、2つの領域がどれだけ似ているか、あるいは異なるかを表します。
使用例
次に、hamming_distance_norm
関数を使って、2つのバイナリ領域間の正規化されたハミング距離を計算するシンプルな例を示します。
* 2つの画像領域を読み込む
read_image(Image1, 'example_image1')
read_image(Image2, 'example_image2')
* 画像をバイナリ領域に変換
threshold(Image1, Region1, 128, 255)
threshold(Image2, Region2, 128, 255)
* 正規化されたハミング距離を計算
hamming_distance_norm(Region1, Region2, Distance)
* 結果の表示
disp_message(WindowID, 'Normalized Hamming Distance: ' + Distance, 'window', 12, 12, 'black', 'true')
この例では、2つの画像をバイナリ画像に変換し、それらのバイナリ領域間の正規化されたハミング距離を計算しています。結果として得られる距離が、2つの領域がどれだけ一致しているかを示します。
実際の応用
製造業での品質検査
hamming_distance_norm
は、製造業での部品の検査に有効です。正常な部品とテスト中の部品を比較し、その違いを正規化されたハミング距離として数値化することで、品質のばらつきを迅速に評価できます。正常な部品との距離が大きい場合は、欠陥が疑われます。
変化検出の精度評価
正規化されたハミング距離は、変化検出の精度を評価するためにも使われます。異なる時点の画像を比較し、どれだけの領域が変化したかを定量的に評価できます。変化の程度を0から1の範囲で示すため、評価結果が明確で、解析が容易です。
類似性の比較
画像や領域の類似性を比較する場合、hamming_distance_norm
は有効です。例えば、同じパターンの画像が異なる解像度やノイズの影響を受けた際、その違いを数値化することで、画像間の一致度を簡単に評価できます。
hamming_distance_normの応用例
以下の例では、2つの異なるバイナリ領域を比較し、その類似性を正規化されたハミング距離で評価しています。
* 2つの異なるバイナリ画像を読み込む
read_image(Image1, 'reference_image')
read_image(Image2, 'test_image')
* バイナリ領域への変換
threshold(Image1, Region1, 128, 255)
threshold(Image2, Region2, 128, 255)
* 正規化されたハミング距離を計算
hamming_distance_norm(Region1, Region2, Distance)
* 結果の表示
disp_message(WindowID, 'Normalized Hamming Distance: ' + Distance, 'window', 12, 12, 'black', 'true')
この例では、2つのバイナリ領域の正規化されたハミング距離を計算し、その違いを数値で表示しています。領域が似ているほど距離は小さくなり、異なるほど大きくなります。
まとめ
HALCON
のhamming_distance_norm
関数は、バイナリ画像領域の類似性を定量的に評価するための強力なツールです。正規化されたハミング距離を使用することで、異なる領域間の違いをわかりやすく数値化し、製造業の品質管理や変化検出、画像比較など、幅広い画像処理アプリケーションに活用できます。領域の違いを簡潔に評価したい場合に非常に有効です。