【HALCON】highpass_image関数ガイド - ハイパスフィルタによる画像強調処理
2024-09-11
2024-09-11
HALCONのhighpass_image関数は、画像に対してハイパスフィルタを適用し、画像内の高周波成分を強調するために使用されます。このフィルタは、画像の急峻なエッジや細かいディテールを強調し、低周波成分（例えば、背景や大きな物体のぼやけた部分）を除去することで、エッジ検出や微細な特徴の解析を容易にします。
highpass_image関数の概要
highpass_image関数は、画像処理の際に高周波成分を強調するためのハイパスフィルタを適用します。ハイパスフィルタは、画像内の急激な変化やエッジを強調し、低周波成分（平滑な領域や背景など）を除去します。このため、エッジ検出や細かい物体の解析が必要な場面で効果的です。
基本構文
highpass_image(Image, ImageHighpass, MaskWidth, MaskHeight)
Image
入力画像。ImageHighpass
ハイパスフィルタ適用後の出力画像。MaskWidth
フィルタのマスクの幅（x方向のピクセル数）。MaskHeight
フィルタのマスクの高さ（y方向のピクセル数）。
ハイパスフィルタの役割
ハイパスフィルタは、画像内の高周波成分（エッジや細かいテクスチャ）を強調し、低周波成分（画像の滑らかな部分や背景のぼかし）を除去するために使用されます。これにより、エッジが鮮明になり、微細なディテールが強調されます。
- 高周波成分
画像の急激な変化（エッジやディテール）。 - 低周波成分
画像の緩やかな変化（背景や大きなぼやけた物体）。
使用例
次に、highpass_image関数を使って画像にハイパスフィルタを適用する例を示します。
* 入力画像の読み込み
read_image(Image, 'example_image')
* ハイパスフィルタの適用
highpass_image(Image, ImageHighpass, 15, 15)
* 処理結果の表示
dev_open_window(0, 0, 512, 512, 'black', WindowID)
disp_image(ImageHighpass, WindowID)
この例では、幅15ピクセル、高さ15ピクセルのフィルタを使用して、入力画像にハイパスフィルタを適用しています。結果として、画像のエッジや細かいディテールが強調されています。
実際の応用
エッジ検出の前処理
ハイパスフィルタは、エッジ検出の前処理として非常に効果的です。画像内のノイズや背景を除去し、エッジや物体の輪郭を強調することで、エッジ検出アルゴリズムの精度を向上させます。
微小物体の検出
ハイパスフィルタは、画像内の小さな物体や微細な特徴を強調するためにも使用されます。例えば、製造ラインでの欠陥検出や医療画像解析など、非常に細かいディテールを識別する必要がある場合に有効です。
ノイズ除去
ハイパスフィルタは、平滑な領域や低周波成分を除去するため、画像の一部をノイズとして扱い、特定の特徴だけを残す処理に利用できます。背景のぼかしを取り除いて、重要な部分を強調できます。
highpass_imageの応用例
次の例では、医療画像に対してハイパスフィルタを適用し、微細なディテールや組織構造を強調しています。
* 入力画像の読み込み
read_image(Image, 'medical_image')
* ハイパスフィルタの適用
highpass_image(Image, ImageHighpass, 20, 20)
* 結果画像の表示
disp_image(ImageHighpass, WindowID)
この例では、20ピクセル×20ピクセルのハイパスフィルタを適用し、医療画像内の微細な組織の構造を強調しています。これにより、重要なディテールを強調した画像が得られます。
まとめ
HALCONのhighpass_image関数は、画像の高周波成分を強調し、エッジや微細なディテールを際立たせるための強力なツールです。製造業、医療、検査システムなど、エッジ検出やディテール解析が求められる場面で効果的に活用でき、画像内の不要な低周波成分を取り除きつつ、重要な特徴を強調します。目的に応じたフィルタサイズを設定し、効率的な画像解析を実現しましょう。