【HALCON】hit_or_miss_seq関数ガイド - 連続的なヒットオアミス変換による形状検出

HALCONのhit_or_miss_seq関数は、バイナリ画像に対して連続的なヒットオアミス変換を適用し、複数の形状やパターンを段階的に検出するための関数です。この関数では、異なる構造要素を順次使用して、画像内の複雑な形状やパターンをより精密に解析します。特に、製造業や検査システムでの欠陥検出や形状認識に役立ちます。

hit_or_miss_seq関数の概要

hit_or_miss_seq関数は、バイナリ画像に対して複数のヒットオアミス変換を連続的に適用することで、形状やパターンを段階的に抽出します。この処理により、単一のヒットオアミス変換では検出が難しい複雑なパターンや構造を解析することが可能です。

基本構文

hit_or_miss_seq(Region, HitMiss, StructElements)

• Region
  入力となるバイナリ画像。
• HitMiss
  出力領域。検出された形状が格納されます。
• StructElements
  連続的に適用する構造要素の配列。

この関数は、指定された複数の構造要素を順次適用して、各ステップで異なるパターンや形状を検出していきます。

連続的なヒットオアミス変換の役割

連続的なヒットオアミス変換では、複数の異なる構造要素を順番に適用して、形状やパターンを段階的に検出します。各ステップで異なる構造要素を使用することで、複雑な形状やパターンを効果的に抽出できます。例えば、複数の異なるパターンや構造が混在する画像に対して、段階的にパターンを抽出することが可能です。

使用例

以下に、hit_or_miss_seq関数を使ってバイナリ画像から複数のパターンを検出するシンプルな例を示します。

* 入力画像の読み込み
read_image(Image, 'example_image')

* バイナリ画像への変換
threshold(Image, Region, 128, 255)

* 構造要素の生成
gen_structuring_element('rectangle', 3, 3, Mask1)
gen_structuring_element('rectangle', 5, 5, Mask2)

* 構造要素の配列を作成
StructElements := [Mask1, Mask2]

* 連続的なヒットオアミス変換を実行
hit_or_miss_seq(Region, HitMiss, StructElements)

* 結果の表示
dev_open_window(0, 0, 512, 512, 'black', WindowID)
disp_region(HitMiss, WindowID)

この例では、Mask1とMask2という異なる矩形の構造要素を順番に適用して、バイナリ画像内の複数の形状パターンを検出しています。

実際の応用

複雑なパターンの検出

hit_or_miss_seq関数は、複雑な形状やパターンを検出する際に非常に有効です。異なる構造要素を順番に適用することで、1つの構造要素では捉えきれない複数のパターンや細かいディテールを検出できます。

段階的な形状解析

この関数を使用すると、複数の形状やパターンを段階的に抽出できます。例えば、画像内に異なる種類の形状（直線、曲線、交差点など）が含まれている場合、それらを順番に検出して分析することが可能です。

製造業における欠陥検出

製造ラインでの欠陥検出にも役立ちます。例えば、製品の異なる領域に対して複数の構造要素を使って連続的に解析し、特定の形状や欠陥の有無を効率よく検出できます。

hit_or_miss_seqの応用例

次の例では、hit_or_miss_seq関数を使用して、製造ラインの部品検査で複数の形状を検出しています。

* 部品画像の読み込み
read_image(Image, 'part_image')

* バイナリ化処理
threshold(Image, Region, 128, 255)

* 構造要素を生成
gen_structuring_element('circle', 3, 3, Mask1)
gen_structuring_element('rectangle', 7, 7, Mask2)

* 構造要素の配列を作成
StructElements := [Mask1, Mask2]

* 連続的なヒットオアミス変換を実行
hit_or_miss_seq(Region, HitMiss, StructElements)

* 検出結果の表示
disp_region(HitMiss, WindowID)

この例では、Mask1として円形の構造要素、Mask2として矩形の構造要素を順番に適用して、製造部品の特定のパターンを検出しています。

まとめ

HALCONのhit_or_miss_seq関数は、複数の構造要素を連続して適用することで、複雑な形状やパターンを段階的に抽出する強力なツールです。単一のヒットオアミス変換では難しいパターンの検出に特に効果的で、製造業や品質管理の分野での欠陥検出や形状認識に利用できます。適切な構造要素を設計することで、精度の高い形状解析を実現できます。