【HALCON】hom_mat2d_reflect関数ガイド - 2Dホモグラフィ変換による反転（鏡映）処理

HALCONのhom_mat2d_reflect関数は、2Dホモグラフィ変換行列を使用して、指定した直線に対して画像やオブジェクトを反転（鏡映）させるための関数です。この関数は、画像やオブジェクトを左右や上下に反転させ、鏡像のような効果を適用する際に役立ちます。反転は、指定した直線に基づいて行われ、柔軟な幾何学的変換を実現します。

hom_mat2d_reflect関数の概要

hom_mat2d_reflect関数は、指定した直線に対して2Dホモグラフィ変換を適用し、画像やオブジェクトを反転させます。直線は、2点の座標（Px1, Py1, Px2, Py2）を指定することで定義され、その直線を基準にしてオブジェクトを鏡映します。これにより、オブジェクトの左右対称や上下対称を実現することができます。

基本構文

hom_mat2d_reflect(HomMat2D, Px1, Py1, Px2, Py2, HomMat2DReflect)

• HomMat2D
  元の2Dホモグラフィ変換行列。
• Px1, Py1
  反転の基準となる直線の最初の点の座標。
• Px2, Py2
  反転の基準となる直線の2番目の点の座標。
• HomMat2DReflect
  反転後の変換行列が格納される出力。

この関数では、指定された直線に対して反転処理を行い、その結果を新しい変換行列HomMat2DReflectに格納します。

使用例

次に、hom_mat2d_reflect関数を使って画像を水平に反転するシンプルな例を示します。

* 入力画像の読み込み
read_image(Image, 'example_image')

* 単位行列の作成
hom_mat2d_identity(HomMat2D)

* 水平方向の直線（y=0, y=512）を基準に反転
hom_mat2d_reflect(HomMat2D, 0, 256, 512, 256, HomMat2DReflect)

* 反転した画像を生成
affine_trans_image(Image, ImageReflected, HomMat2DReflect, 'constant', 'false')

* 結果の表示
dev_open_window(0, 0, 512, 512, 'black', WindowID)
disp_image(ImageReflected, WindowID)

この例では、y=256の直線（画面中央の水平線）を基準に画像を反転しています。hom_mat2d_reflect関数で生成された変換行列をaffine_trans_image関数で適用し、反転した画像を表示します。

実際の応用

左右・上下対称の画像処理

hom_mat2d_reflectは、左右対称や上下対称の鏡映処理を行う際に有効です。製造業での検査や画像解析において、対称性を確認したい場合や、オブジェクトの対称性を利用した解析に活用できます。

鏡像変換によるパターン認識

反転処理を使って、画像内のパターンを異なる視点から認識することが可能です。特定の直線を基準に鏡像変換を行い、反転した状態でのパターンの一致や形状の検出を行うことができます。

特定の軸を基準とした反転処理

任意の軸を基準にオブジェクトを反転させることができるため、特定の基準線に対してオブジェクトや画像の対称性を保ちながら処理する場面で効果的です。例えば、製品の形状検査や部品の配置確認に使用できます。

hom_mat2d_reflectの応用例

次の例では、画像を垂直方向に反転させる方法を示します。

* 入力画像の読み込み
read_image(Image, 'example_image')

* 単位行列の作成
hom_mat2d_identity(HomMat2D)

* 垂直方向の直線（x=256）を基準に反転
hom_mat2d_reflect(HomMat2D, 256, 0, 256, 512, HomMat2DReflect)

* 反転した画像を生成
affine_trans_image(Image, ImageReflected, HomMat2DReflect, 'constant', 'false')

* 結果の表示
disp_image(ImageReflected, WindowID)

この例では、画面中央の垂直線（x=256）を基準に、画像を左右に反転させています。指定した直線を基準にして、画像全体が反転処理されています。

まとめ

HALCONのhom_mat2d_reflect関数は、2D空間での反転（鏡映）処理を簡単に行うための強力なツールです。指定した直線を基準にして、オブジェクトや画像を左右や上下に反転させることが可能で、製造業や画像解析において対称性や反転処理が必要な場面で非常に有効です。反転処理を用いて対称性を確認したり、パターンの解析に活用できます。