【HALCON】hom_mat2d_scale 関数について - 2D同次変換行列によるスケーリング変換

HALCONのhom_mat2d_scale関数は、2D同次変換行列を使用してオブジェクトや画像にスケーリング（拡大縮小）変換を適用するためのツールです。この関数を使用することで、任意の中心点を基準にして、オブジェクトの大きさを自由に拡大または縮小することができます。スケーリング変換は、画像処理や幾何学的な操作において、サイズ調整やズーム操作などに幅広く利用されます。

hom_mat2d_scale 関数の概要

hom_mat2d_scale関数は、2D空間でオブジェクトを指定した中心点から拡大または縮小するスケーリング変換を行います。スケーリングは、画像やオブジェクトの大きさを変更する操作であり、拡大倍率や縮小倍率に基づいてサイズが調整されます。この関数は、中心点を指定することで、対象物を任意の位置を基準に拡大・縮小できるため、正確なスケーリング操作が可能です。

使用方法

基本的な構文は以下の通りです。

hom_mat2d_scale(HomMat2D, ScaleX, ScaleY, Px, Py, HomMat2DScale)

• HomMat2D
  スケーリング変換前の2D同次変換行列。
• ScaleX, ScaleY
  X軸方向およびY軸方向のスケーリング倍率。
• Px, Py
  スケーリングの基準となる中心点の座標。
• HomMat2DScale
  スケーリング変換された2D同次変換行列が格納される変数。

具体例

以下に、hom_mat2d_scale関数を使用してオブジェクトを2倍に拡大する例を示します。

* 初期の2D同次変換行列を生成
hom_mat2d_identity(HomMat2D)

* 中心点 (100, 100) を基準にX軸、Y軸方向に2倍のスケーリングを適用
hom_mat2d_scale(HomMat2D, 2, 2, 100, 100, HomMat2DScale)

* 結果を表示
disp_message(WindowHandle, 'Scaled Matrix: ' + HomMat2DScale, 'window', 12, 12, 'black', 'true')

この例では、中心点 (100, 100) を基準に、X軸方向とY軸方向にそれぞれ2倍に拡大しています。hom_mat2d_scale関数を使用することで、指定した倍率でオブジェクトのサイズを調整できます。

応用例

hom_mat2d_scale関数は、以下のようなシナリオで特に有用です。

• 画像のズームイン・ズームアウト
  画像を特定の倍率で拡大または縮小し、詳細な解析や広域の観察を行います。
• オブジェクトのサイズ調整
  形状やオブジェクトを指定した中心点から任意の倍率でサイズ変更し、正確なスケーリング操作を実現します。
• ロボットビジョン
  カメラ画像に対するスケーリングを適用して、視覚情報に基づくサイズ調整や距離計算を行います。

まとめ

HALCONのhom_mat2d_scale関数は、2D同次変換行列を使用してオブジェクトや画像を拡大または縮小するための強力なツールです。任意の倍率で指定した中心点を基準にサイズを調整でき、画像処理や幾何変換において幅広い応用が可能です。