【HALCON】hom_mat2d_to_affine_par 関数について - 2Dアフィン変換行列のパラメータ抽出

HALCONのhom_mat2d_to_affine_par関数は、2Dアフィン変換行列から平行移動、回転、スケール、傾斜といったパラメータを抽出し、変換内容を分解して解析するために使用されます。これにより、アフィン変換の詳細を確認し、各要素を個別に評価できるため、画像処理やモデル解析で非常に有用です。

hom_mat2d_to_affine_par 関数の概要

hom_mat2d_to_affine_par関数は、2Dアフィン変換行列から幾何学的な変換パラメータを抽出します。アフィン変換は、回転、スケーリング、平行移動、傾斜などの操作が組み合わされた変換です。この関数は、それぞれの変換要素を数値として取得できるため、変換の内容を理解しやすくなります。

使用方法

この関数の基本的な使い方は次の通りです。

hom_mat2d_to_affine_par(HomMat2D, Tx, Ty, Rotation, ScaleX, ScaleY, Slant)

• HomMat2D
  入力される2Dアフィン変換行列。
• Tx
  x軸方向の平行移動量。
• Ty
  y軸方向の平行移動量。
• Rotation
  回転角度（ラジアン単位）。
• ScaleX
  x軸方向のスケール係数。
• ScaleY
  y軸方向のスケール係数。
• Slant
  傾斜（シアー）係数。

具体例

以下に、hom_mat2d_to_affine_par関数を使って2Dアフィン変換行列からパラメータを抽出する例を示します。

* 2Dアフィン変換行列の作成
hom_mat2d_identity(HomMat2D)
hom_mat2d_translate(HomMat2D, 50, 30)
hom_mat2d_rotate(HomMat2D, rad(45), 0, 0)

* アフィン変換行列からパラメータを抽出
hom_mat2d_to_affine_par(HomMat2D, Tx, Ty, Rotation, ScaleX, ScaleY, Slant)

* 抽出されたパラメータを表示
disp_message(WindowHandle, 'Tx: ' + Tx + ', Ty: ' + Ty + ', Rotation: ' + Rotation + ', ScaleX: ' + ScaleX + ', ScaleY: ' + ScaleY + ', Slant: ' + Slant, 'window', 12, 12, 'black', 'true')

この例では、hom_mat2d_translate関数でx軸に50、y軸に30の平行移動を加え、さらに45度の回転を施した変換行列から、それぞれの変換要素を抽出して表示しています。

応用例

hom_mat2d_to_affine_par関数は、以下のようなシナリオで役立ちます。

• アフィン変換の解析
  画像や図形がどのように変換されたかを数値的に解析し、特定の変換の影響を確認することができます。

• モデルの一致度検証
  モデルの位置や向き、スケールがどれだけ変化しているかを把握するために、抽出されたパラメータを使用できます。

• 画像処理パイプラインの評価
  各ステップで適用された変換の内容を評価し、必要に応じて調整を行うことで、処理精度を向上させることが可能です。

まとめ

HALCONのhom_mat2d_to_affine_par関数は、2Dアフィン変換行列の各要素を分解し、解析するための便利なツールです。これにより、画像の変換プロセスを詳細に理解し、必要な調整を加えることが容易になります。