【HALCON】hom_mat3d_determinant 関数について - 3D同次変換行列の行列式計算

HALCONのhom_mat3d_determinant関数は、3D同次変換行列の行列式を計算するための関数です。3D画像処理やコンピュータビジョンにおいて、同次変換行列を使用してオブジェクトの回転や移動、スケーリングを表現することが多いですが、行列の行列式を計算することで、その変換の特性を確認できます。特に、行列式が1であれば、その変換は正規化されており、スケールが変わっていないことを示します。

hom_mat3d_determinant 関数の概要

hom_mat3d_determinant関数は、指定された3D同次変換行列の行列式を計算します。行列式は、変換が正規化されているかどうか、またはスケーリングが行われているかを確認するのに役立ちます。行列式の値が1の場合、変換はスケーリングなしで回転や移動のみが行われていることを示し、値が1以外の場合、変換にスケーリングが含まれている可能性があります。

使用方法

基本的な使用方法は以下の通りです。

hom_mat3d_determinant(HomMat3D, Determinant)

• HomMat3D
  行列式を計算する対象の3D同次変換行列。
• Determinant
  計算された行列式の値が格納される変数。

具体例

以下に、hom_mat3d_determinant関数を使用して3D同次変換行列の行列式を計算する例を示します。

* 3D同次変換行列の初期化
hom_mat3d_identity(HomMat3D)

* 平行移動とスケーリングを適用
hom_mat3d_translate(HomMat3D, 100, 50, 0, HomMat3DTrans)
hom_mat3d_scale(HomMat3DTrans, 2.0, 2.0, 2.0, 0, 0, 0, HomMat3DScale)

* 行列式を計算
hom_mat3d_determinant(HomMat3DScale, Determinant)

* 行列式の結果を表示
disp_message(WindowHandle, 'Determinant: ' + Determinant, 'window', 12, 12, 'black', 'true')

この例では、平行移動とスケーリングを適用した3D同次変換行列の行列式を計算しています。行列式の値が1以外であれば、スケーリングが適用されていることを意味します。

応用例

hom_mat3d_determinant関数は、以下のようなシナリオで特に有用です。

• 変換の正規化確認
  行列式を計算して、3D変換がスケーリングなしで行われているか、または正規化されているかを確認します。

• エラー検出
  行列式の値が極端に小さいまたは大きい場合、変換に異常がある可能性があり、その検出に役立ちます。

• 変換の解析
  行列式を使って、複数の3D変換の効果や特性を分析し、スケールや変形の有無を判断します。

まとめ

HALCONのhom_mat3d_determinant関数は、3D同次変換行列の行列式を計算し、変換の特性を確認するための便利なツールです。この関数を使用することで、変換行列が正規化されているかどうかや、スケーリングが行われているかを判断し、3D変換に関する詳細な解析を行うことが可能です。