【HALCON】hom_mat3d_rotate_local 関数について - 基準点を指定した局所的な3Dアフィン変換の回転操作

HALCONのhom_mat3d_rotate_local関数は、3Dアフィン変換行列に局所的な回転操作を追加し、指定した基準点を中心に回転を行うためのツールです。これにより、特定の基準点を軸とした精密な回転を実現でき、3D空間内でのオブジェクト操作がより柔軟になります。

hom_mat3d_rotate_local 関数の概要

hom_mat3d_rotate_local関数は、3Dアフィン変換行列に対して指定された基準点を中心に回転操作を追加します。この回転は、x軸、y軸、またはz軸に沿って行われ、回転の基準点（Px、Py、Pz）を指定することで、局所的な回転操作が可能になります。特定の部位やエリアに対して回転を加えたい場合に非常に有用です。

使用方法

hom_mat3d_rotate_local関数の基本的な使用方法は以下の通りです。

hom_mat3d_rotate_local(HomMat3D, Angle, Axis, Px, Py, Pz, HomMat3DRotateLocal)

• HomMat3D
  回転操作の基となる3Dアフィン変換行列。
• Angle
  回転角度（ラジアン単位）。
• Axis
  回転を行う軸（"x"、"y"、"z"）。
• Px, Py, Pz
  回転の基準となる点の座標。
• HomMat3DRotateLocal
  回転操作が追加された新しい3Dアフィン変換行列。

この関数は、与えられた3Dアフィン変換行列に対して局所的な回転操作を追加し、その結果を新しい変換行列として返します。

具体例

次に、hom_mat3d_rotate_local関数を使用してz軸を基準に指定した点(50, 50, 0)を中心に45度回転させる例を示します。

* 初期の3Dアフィン変換行列を作成
hom_mat3d_identity(HomMat3D)

* z軸を基準に基準点(50, 50, 0)で45度回転
hom_mat3d_rotate_local(HomMat3D, rad(45), 'z', 50, 50, 0, HomMat3DRotateLocal)

* 回転後の行列を表示
disp_message(WindowHandle, 'Locally Rotated Matrix: ' + HomMat3DRotateLocal, 'window', 12, 12, 'black', 'true')

この例では、基準点(50, 50, 0)を中心にz軸を基準に45度の回転を行い、局所的な回転を実現しています。オブジェクトの一部分に対して回転を適用することができ、柔軟な操作が可能です。

応用例

hom_mat3d_rotate_local関数は、以下のようなシナリオで特に有効です。

• 局所的な物体の回転
  特定の基準点を中心に、3D空間内の物体やその一部を回転させる際に役立ちます。特定の部位やエリアに焦点を当てた回転操作を行う場合に使用されます。

• 視点変更のシミュレーション
  オブジェクトの一部分だけを視点変更するシミュレーションや、カメラの特定のポイントを中心にした動きの再現に効果的です。

• 精密な回転操作
  工業用の3Dモデルやシミュレーションにおいて、指定した基準点に基づいて回転を精密に操作する必要がある場合に利用できます。

まとめ

HALCONのhom_mat3d_rotate_local関数は、指定した基準点を中心に3Dアフィン変換行列に局所的な回転操作を追加するための便利なツールです。この関数を使うことで、特定の軸や基準点に基づく精密な回転操作を行い、複雑な幾何学的操作が可能になります。