【HALCON】hom_mat3d_scale_local 関数について - 局所的な3Dアフィン変換行列のスケーリング操作

HALCONのhom_mat3d_scale_local関数は、3Dアフィン変換行列に対して指定した基準点を中心に局所的なスケーリング操作を追加するための関数です。これにより、特定の基準点を基にした精密なスケール調整が可能となり、3D空間内での細かな変形を実現できます。

hom_mat3d_scale_local 関数の概要

hom_mat3d_scale_local関数は、3Dアフィン変換行列に対して局所的なスケーリングを適用し、指定された基準点（Px、Py、Pz）を中心に拡大または縮小を行います。これにより、オブジェクト全体ではなく特定の部分やエリアに対してスケール調整が可能です。スケーリング操作は、x軸、y軸、およびz軸に対して個別に倍率を指定することができ、さまざまな変形に対応します。

使用方法

hom_mat3d_scale_local関数の基本的な使用方法は以下の通りです。

hom_mat3d_scale_local(HomMat3D, ScaleX, ScaleY, ScaleZ, Px, Py, Pz, HomMat3DScaleLocal)

• HomMat3D
  スケーリング操作を追加する基となる3Dアフィン変換行列。
• ScaleX, ScaleY, ScaleZ
  x軸、y軸、z軸のそれぞれに対して適用するスケールファクター。各軸に対する拡大または縮小の倍率を指定します。
• Px, Py, Pz
  スケーリングの基準となる中心点の座標。
• HomMat3DScaleLocal
  スケーリング操作が適用された新しい3Dアフィン変換行列。

この関数を使って、指定した基準点を中心にしたスケーリングを行い、オブジェクトの部分的な拡大・縮小を実現します。

具体例

次に、hom_mat3d_scale_local関数を使用して、基準点(50, 50, 50)を中心にx軸方向に2倍、y軸方向に1.5倍、z軸方向に0.5倍のスケーリングを行う例を示します。

* 初期の3Dアフィン変換行列を作成
hom_mat3d_identity(HomMat3D)

* スケーリング操作を追加（基準点50, 50, 50でx軸2倍、y軸1.5倍、z軸0.5倍）
hom_mat3d_scale_local(HomMat3D, 2.0, 1.5, 0.5, 50, 50, 50, HomMat3DScaleLocal)

* スケーリング後の行列を表示
disp_message(WindowHandle, 'Locally Scaled Matrix: ' + HomMat3DScaleLocal, 'window', 12, 12, 'black', 'true')

この例では、基準点(50, 50, 50)を中心に、各軸に対して異なるスケーリング操作を適用しています。このようにして、指定したエリアだけを拡大または縮小することが可能です。

応用例

hom_mat3d_scale_local関数は、次のようなシナリオで役立ちます。

• 特定部位のスケール調整
  モデルの特定部分やエリアを基準点に基づいてスケーリングする必要がある場合に便利です。部分的な拡大・縮小が可能なため、特定の領域だけを変形する際に有効です。

• 視点シミュレーション
  視点を変更しながら、特定のオブジェクトのスケールを変えて見せるシミュレーションに活用できます。

• デザイン調整
  3Dモデルの局所的なスケール調整が必要な場合や、特定のポイントを基準にしてサイズを調整したい場合に有効です。

まとめ

HALCONのhom_mat3d_scale_local関数は、指定された基準点を中心に3Dアフィン変換行列に局所的なスケーリングを追加するための便利なツールです。この関数を使用することで、部分的なスケール変更や、特定エリアに対する精密なサイズ調整が可能になります。