【HALCON】hom_mat3d_translate 関数について - 3Dアフィン変換行列への平行移動操作

HALCONのhom_mat3d_translate関数は、3Dアフィン変換行列に平行移動操作を追加し、3D空間内でオブジェクトをx軸、y軸、z軸の指定方向に移動させるために使用されます。この関数は、オブジェクトの位置調整や視点変更に非常に重要な役割を果たします。

hom_mat3d_translate 関数の概要

hom_mat3d_translate関数は、3Dアフィン変換行列に対して平行移動を加えるための関数です。指定したx軸、y軸、およびz軸の方向にオブジェクトを移動させることができ、移動は3D空間内で行われます。平行移動は、オブジェクトの位置を調整したり、他の幾何学的変換（回転、スケーリングなど）と組み合わせて使用される基本操作の一つです。

使用方法

hom_mat3d_translate関数の基本的な使用方法は次の通りです。

hom_mat3d_translate(HomMat3D, Tx, Ty, Tz, HomMat3DTranslate)

• HomMat3D
  操作を加える元の3Dアフィン変換行列。
• Tx
  x軸方向の平行移動量。
• Ty
  y軸方向の平行移動量。
• Tz
  z軸方向の平行移動量。
• HomMat3DTranslate
  平行移動操作が適用された新しい3Dアフィン変換行列。

この関数は、入力された変換行列に指定した平行移動を加え、その結果を新しい行列として返します。

具体例

次に、hom_mat3d_translate関数を使用して、x軸方向に100、y軸方向に50、z軸方向に30の平行移動を行う例を示します。

* 初期の3Dアフィン変換行列を作成
hom_mat3d_identity(HomMat3D)

* x軸100、y軸50、z軸30の平行移動を追加
hom_mat3d_translate(HomMat3D, 100, 50, 30, HomMat3DTranslate)

* 新しい変換行列を表示
disp_message(WindowHandle, 'Translated Matrix: ' + HomMat3DTranslate, 'window', 12, 12, 'black', 'true')

この例では、hom_mat3d_identityで初期化した3Dアフィン変換行列に対して、x軸方向に100、y軸方向に50、z軸方向に30の平行移動を追加しています。

応用例

hom_mat3d_translate関数は、次のような応用シナリオで有効です。

• オブジェクトの位置合わせ
  テンプレートマッチングなどの手法で得られた座標に基づいて、オブジェクトを正確に位置合わせする際に使用されます。

• 視点変更やカメラ操作
  カメラの視点やオブジェクトの位置を動かすことで、異なる角度からの表示や操作が可能になります。

• 3Dシミュレーションやアニメーション
  物体を連続的に動かすための平行移動操作を適用して、シミュレーションやアニメーションを作成する際に使われます。

まとめ

HALCONのhom_mat3d_translate関数は、3Dアフィン変換行列に平行移動を追加し、オブジェクトの位置を調整するための重要なツールです。3D空間内での正確な位置移動を簡単に実現し、視点変更や物体操作など、様々なシナリオに対応します。