【HALCON】hough_line_trans_dir 関数について - 方向付き直線検出のためのハフ変換

HALCONのhough_line_trans_dir関数は、ハフ変換を用いて画像内の方向付き直線を検出するための関数です。この関数は、エッジ情報に基づいて直線の方向を考慮しながら、より精密に直線を特定することが可能で、特に方向に依存した検出が必要なシナリオに適しています。

hough_line_trans_dir 関数の概要

hough_line_trans_dir関数は、画像内のエッジ情報に基づいて直線を検出し、その直線の方向情報を利用して特定の方向を持つ直線を抽出します。ハフ変換は、エッジ画像から特定の形状を検出するための一般的なアルゴリズムで、特に直線を高精度に検出するために広く使われています。この関数では、直線の方向を考慮することで、より特定の条件に基づいた直線検出が可能です。

使用方法

hough_line_trans_dir関数の基本的な使用方法は以下の通りです。

hough_line_trans_dir(Image, Gradient, HoughLines, Direction, VoteThreshold)

• Image
  エッジが抽出された入力画像。
• Gradient
  各エッジピクセルの勾配方向。
• HoughLines
  検出された直線のパラメータ（出力）。直線の角度や位置が含まれます。
• Direction
  検出したい直線の方向。
• VoteThreshold
  検出する直線を決定するための投票数の閾値。投票数が高いほど、強い直線のみが検出されます。

この関数は、画像内のエッジ情報と各ピクセルの勾配方向を基にして、指定された方向に合致する直線を検出します。

具体例

次に、hough_line_trans_dir関数を使って、特定の方向にある直線を検出する例を示します。

* エッジ画像の生成または読み込み
edges_image(Image)

* エッジピクセルの勾配方向を計算
sobel_amp(Image, Gradient)

* 方向が0度に近い直線を検出
hough_line_trans_dir(Image, Gradient, HoughLines, 0, 100)

* 検出された直線を表示
disp_line(WindowHandle, HoughLines)

この例では、エッジ画像Imageに対してSobelフィルタを用いてエッジの勾配方向Gradientを計算しています。その後、方向が0度（水平方向）に近い直線を検出し、その結果をHoughLinesとして出力しています。

応用例

hough_line_trans_dir関数は、次のようなシナリオで有効です。

• 工業検査
  製造ラインで特定の方向を持つ直線部分（溶接線、部品のエッジなど）を検出し、品質管理を行う際に役立ちます。

• 建築や構造物の解析
  建築物の直線的な構造要素を方向ごとに解析することで、構造の安定性や正確性を評価します。

• 自動運転やロボット視覚
  交通標識や道路線など、特定の方向を持つ直線を検出して、自動運転車やロボットの経路検出に活用します。

まとめ

HALCONのhough_line_trans_dir関数は、ハフ変換を利用して方向付き直線を検出するための強力なツールです。画像内のエッジ情報と勾配方向に基づき、特定の方向にある直線を高精度に検出できるため、工業検査や自動運転など、さまざまな用途で役立ちます。