【HALCON】hom_mat2d_rotate_local関数ガイド - ローカル回転による2Dホモグラフィ変換

HALCONのhom_mat2d_rotate_local関数は、既存の2Dホモグラフィ変換に対してローカルな回転を適用し、画像やオブジェクトの位置や向きを調整するための関数です。既存の変換行列に対して追加で回転を加えることで、複数の幾何学的変換を連携させた複雑な操作を実現できます。製造業の検査や画像解析において、回転と他の変換（平行移動、スケーリングなど）を組み合わせた処理が可能です。

hom_mat2d_rotate_local関数の概要

hom_mat2d_rotate_local関数は、既存のホモグラフィ変換行列に対して、指定された回転を追加します。この関数で行う回転は「ローカル回転」と呼ばれ、既存の変換結果に対して局所的に回転が適用されます。これにより、画像やオブジェクトに対してさらなる回転を加え、精密な幾何学的操作が可能になります。

基本構文

hom_mat2d_rotate_local(HomMat2D, Angle, HomMat2DRotate)

• HomMat2D
  既存の2Dホモグラフィ変換行列。
• Angle
  回転角度（ラジアン単位）。正の値で反時計回りの回転、負の値で時計回りの回転を指定します。
• HomMat2DRotate
  回転が追加された新しい変換行列が格納される出力。

この関数は、既存の変換行列に対して回転を加え、結果を新しい変換行列として出力します。回転は現在の座標系に基づいて行われ、複合的な変換が可能です。

使用例

次に、hom_mat2d_rotate_local関数を使って、既存の平行移動にさらに回転を加える例を示します。

* 入力画像の読み込み
read_image(Image, 'example_image')

* 単位行列の作成
hom_mat2d_identity(HomMat2D)

* 画像を右に100ピクセル、下に50ピクセル平行移動
hom_mat2d_translate(HomMat2D, 100, 50, HomMat2DTranslate)

* 平行移動後にローカルで45度回転
hom_mat2d_rotate_local(HomMat2DTranslate, rad(45), HomMat2DTransformed)

* 変換行列を画像に適用
affine_trans_image(Image, ImageTransformed, HomMat2DTransformed, 'constant', 'false')

* 結果の表示
dev_open_window(0, 0, 512, 512, 'black', WindowID)
disp_image(ImageTransformed, WindowID)

この例では、最初に画像を平行移動させ、次にその平行移動の結果に対して45度の回転をローカルで追加しています。これにより、平行移動と回転を組み合わせた変換を実現しています。

実際の応用

オブジェクトの位置と向きの調整

hom_mat2d_rotate_localは、既存の変換に対して局所的に回転を加えるため、オブジェクトの位置と向きを細かく調整する際に役立ちます。たとえば、既に平行移動されたオブジェクトに対して回転を加え、位置合わせや方向調整を精密に行うことができます。

複数の変換を組み合わせた処理

この関数は、複数の幾何学的変換を組み合わせる場合に非常に便利です。スケーリング、平行移動、回転といった操作を段階的に追加していくことができ、複雑な画像処理やオブジェクトの操作に対応します。

画像解析でのパターン検出

hom_mat2d_rotate_localを使用して、画像内の特定のパターンを回転させながら調整し、目的の位置に配置することができます。これにより、テンプレートマッチングやパターン認識の精度が向上します。

hom_mat2d_rotate_localの応用例

次の例では、スケーリングと平行移動に対してローカルな回転を追加して、画像を複合的に変換する方法を示します。

* 入力画像の読み込み
read_image(Image, 'example_image')

* 単位行列の作成
hom_mat2d_identity(HomMat2D)

* スケーリングと平行移動を定義
hom_mat2d_scale(HomMat2D, 1.5, 1.5, 0, 0, HomMat2DScaled)
hom_mat2d_translate(HomMat2DScaled, 100, 50, HomMat2DTransformed)

* ローカルで30度回転を追加
hom_mat2d_rotate_local(HomMat2DTransformed, rad(30), HomMat2DResult)

* 変換行列を画像に適用
affine_trans_image(Image, ImageTransformed, HomMat2DResult, 'constant', 'false')

* 結果の表示
disp_image(ImageTransformed, WindowID)

この例では、まず画像をスケーリングし、次に平行移動、最後に30度の回転をローカルに適用しています。このように、複数の幾何学的変換を順次適用し、複合的な操作を行っています。

まとめ

HALCONのhom_mat2d_rotate_local関数は、既存の変換行列に対してローカルな回転を追加するための強力なツールです。複数の幾何学的操作を組み合わせ、精密な回転や位置調整を行いたい場合に非常に有効です。製造業の検査、画像解析、パターン認識など、さまざまな場面で活用でき、複雑な変換を実現するための柔軟な手段を提供します。